Journal Club【20130327】診断時に透析を施行せねばならなかったAAV患者の腎予後および生命予後予測因子は何か? 

 

「Predictors for outcomes in patients with severe ANCA-associated glomerulonephritis who were dialysis-dependent at presentation: A study of 89 cases in a single Chinese center」

Zhi-Ying Li. et al

Renal division, Department Medicine, Peking University First Hospital, Beijing,

Semin Arthritis Rheum. 2013 Jan 16 [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23332902

 

診断時に透析を施行せねばならなかったAAV患者の腎予後および生命予後予測因子は何か?

 

<対象>

・AAV診断時に透析が必要であった89名の中国人を対象とした

・除外基準としては、ANCA陰性、他の疾患とのオーバーラップ例、一年以上血清Crが2.26mg/dl以上が持続か、診断前に2週間以上透析をすでに行っている例、EGPA例、非活動性腎炎例とした

 

<方法>

・primary endpointは6か月後の透析状態の有無か死亡とした

 

<結果>

・腎生検は、89例中42例(47.2%)で行われた

・治療はシクロフォスファミド点滴or内服にmPSLパルスか血漿交換かmPSLパルス+血漿交換を行った

・6ケ月の時点で25例(28.1%)の患者さんが透析より離脱し、45例(50.6%)はそのまま透析を必要とした

・19例(21.3%)は死亡し、うち9例は治療関連死であった

・透析離脱可能であった予測因子は、腎生検にて正常な糸球体が多く残存していること(OR:1.16-1.17)、尿細管萎縮が少ないこと(OR:0.12-0.50)であった

・また、全死亡予測因子としては、高齢(OR:1.13)と肺胞出血の合併(OR:6.09)であった

 

<Discussion>

・limitationとしては、①単一施設 ②retrospective study ③半分の例でしか腎生検していない ④各治療法の人数が少数、であることが挙げられた

 

担当:矢嶋宣幸

 

 

 

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