Journal Club【20130424】UV-B暴露がRA発症のリスクと関連しているか?

 

「Exposure to ultraviolet-B and risk of developing rheumatoid arthritis among women in the Nurses’ Health Study」

Ann Rheum Dis 2013;72:506–511.

Arkema EV, et al,

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23380431

<目的>

・紫外線などの環境因子がRAに及ぼす影響については報告がある。

・UV-B暴露がRA発症のリスクと関連しているか否かをthe Nurses’ Health Study (NHS) and the Nurses’ Health Study II (NHSII).という2大前向き研究にて調査する。

 

<方法>

・NHSは1976年に施行し、106368人、30-55歳。

・NHSⅡは1989年に施行し、115561人、25-42歳。

・RAの発症率をNHSでは2008年に、NHSⅡでは2009年に調査。

・平均UV-B暴露量は緯度、高度、雲量別に居住状況を勘案し、低(<109 R-B)、中(109< <117 R-B)、高(>117R-B)の3つに分類。

・多変量解析コックス比例危険モデルを使用した。

・RAの診断基準は1987年のACRの分類基準を使用。

・他、喫煙歴、出産歴、授乳歴、閉経歴、人種、身体活動性、アルコール消費量、夫の教育レベル、収入、BMI、ビタミンD摂取なども調査した。

 

<結果>

・1314人がRAと診断された。

・NHSではUV-B暴露が多い程、RA発症のリスクは低い(CI:0.79)。

・しかしNHSⅡではUV-B暴露とRA発症には関連なし。

・出生時と15歳時で検討しても同様の結果。

・NHSでは52歳未満では発症率は低い。

 

<議論>

・NHSではUV-B暴露がRAの発症率を低下させるが、NHSⅡでは低下させない。

・紫外線回避行動が若年層に浸透してきたためか。

・NHSⅡは32年、NHSは20年後outcomeの調査であり、後者は期間が短い。

・NHSⅡの方がビタミンD摂取の割合が多いことがRAの発症を低くしている可能性がある。

・限界としては、UV-Aは調べていないこと、転居すればUV-Bの暴露量は異なるはずだが出生地と15歳時の居住地を調べているのみであることが挙げられた。

 

<結論>

・UV-Bの暴露はRAの発症リスクを少しだけ下げる。

担当:三輪裕介

 

 

 

 

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