Journal Club【20130612】リツキサンによるANCA関連血管炎の寛解導入はシクロフォスファミドに劣る? RAVE study

  • 「Rituximab versus Cyclophosphamide for ANCA-Associated Vasculitis」

    John H. Stone. et al

    From Massachusetts General Hospital( J.H.S.) and Boston University Medical Center, RAVE-ITN Research Group

    N Engl J Med 2010;363:221

    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20647199

     

    リツキサンによるANCA関連血管炎の寛解導入はシクロフォスファミドに劣る?

     

    <対象>

    ・9つの施設からCr 4mg/dl以下、ANCA陽性、BVAS3以上の初発および再燃したMPA、GPA

    <方法>

    ・rituximab(RTX)は週1回375mg/m2を4回(n=99)、cyclophosphamide(CY)は2mg/kg内服(n=98)とした。

    ・両群とも寛解が得られた3-6M後にAZP 2mg/kgへ変更。

    ・PSLはmPSLpulseを1−3回施行し、1mg/kgより開始。24週で寛解であれば中止とした。

    ・1stend pointは6M後のBVAS 0およびPSL off

    ・2ndend pointは再燃頻度、6M後のBVAS 0およびPSL <10mg、副作用、総計PSL量など。

     

    <結果>

    ・6M後にBVAS 0およびPSL offであったのは、RTX群 63/99例(64%)、CY群 52/98例(53%)であった(p=0.09)。再発例のみの抽出では、RTX群 34/51例(67%)、CY群 21/50例(42%)とRTX群で有意であった(p=0.01)。

    ・再燃の頻度は、重症の再燃はRTX群 6/99例、CY群 10/98例であり、軽度の再燃はRTX群 11/99例、CY群 14/98例と差がなかった。

    ・6M後にBVAS 0およびPSL<10であったのは、RTX群 70/99例(71%)、CY群 61/98例(62%)と差を認めなかった。

    ・副作用の出現率は、RTX群 31/99例、CY群 33/98例と差を認めなかった。

     

    <Discussion>

    ・limitationとしては、重症でANCA陽性例のみの抽出であり軽症例やANCA陰性例への効果は不明、人工呼吸器が必要な肺胞出血やCr4以上の腎障害例についての効果は不明。

    ・RTXでは末梢血のB細胞は9-12M程度で改善してくるため、6Mといった短期間ではなくさらなる長期の観察が必要である

     

     

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