Journal Club【20130821】 RAの寛解はデータや関節所見を取らずアンケートのみでよいのか?

「Can Remission in Rheumatoid Arthritis Be Assessed Without Laboratory Tests or a Formal Joint Count? Possible Remission Criteria Based on a Self-report RAPID3 Score and Careful Joint Examination in the ESPOIR Cohort」

Castrejón I, Dougados M, Combe B, Guillemin F, Fautrel B, Pincus T.

Division of Rheumatology, New York University Hospital for Joint Diseases, New York, NY 10003, USA.

J Rheumatol 2013;40:386-393

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23378463

 

 RAの寛解はデータや関節所見を取らずアンケートのみでよいのか?

 

[目的]

・RAの疾患活動性の評価法を比較してみる。

・とくにRAPID3は関節全般の評価や医療者の評価(DOCGL)はあるが、関節数の評価、臨床検査項目はない。

・超簡便であるが、寛解の指標としての妥当性を今一度検証を行った。

・実際、毎回外来の全患者に関節所見を丁寧にとるなんてことはなかなか困難である。

・その中でどの程度で妥協できるかどうかを行ってみた。

 

[方法]

・仏蘭西のearly RAコホートであるESPOIRに登録した813仏蘭西人。

・2002-2005年に6か月以上の寛解に至った人、そうでない人。それらを以下の寛解基準で判断した。

・Boolean≦1, SDAI≦3.3, DAS28≦2.6, CDAI≦2.8, RAPID3R≦3.0

それらと比較して、以下の組み合わせの中でどれがより感度・特異度が高いか調査した。

RAPID3R+SJ1                    (RAPID3≦3.0+SJ≦1)

RAPID3R+SJ1+D1            (RAPID3≦3.0+SJ≦1+DOCGL≦1)

RAPID3R+SJ0                    (RAPID3≦3.0+SJ=0)

RAPID3R+SJ0+D1            (RAPID3≦3.0+SJ=0+DOCGL≦1)

 

[結果]

・813人中、720人にすべての評価項目を行うことができた。

・まず、それぞれの評価法がどの項目を測定しているかはTable 1に示す。

・Booleanの基準で寛解に至った93人と至らなかった627人の開始時の状況をTable 2に示す。

・短罹病期間、腫脹・疼痛関節数の少なさ、患者・医師全般評価・疼痛の低さ、低HAQ・DAS28・SDAI・CDAI・RAPID3であった。

・次に、各指標を直接比較したTable 3。寛解率はDAS28とRAPID3Rで高い。

・AgreementやKappaや95%CIを見ても、DAS28とRAPID3Rはいまいちである。

・Table 4では各カテゴリー別に検討し、各Table 5では、特異度感度を計算されており、SDAIとRAPID3R+SJ1が優れていることが解る。

 

[議論と限界]

・RAの寛解の指標として、様々なものが提唱されており、玉石混交状態にある。

・RAPID3は関節所見を取る必要がなく簡便であるが、患者記入評価のみであり、これで寛解を判断してよいものか疑問視されていたという経緯があり、変法を用いて解析した。

[限界]

・単コホート。Booleanを絶対視した比較検討。関節診察にレベルの差がある。関節所見数の0と1に差はないのか。28関節のみでよいのか。それ以外の関節はどうする。RAPID3に他の組み合わせの検討をしていない。自己記入式の評価法に頼っている。

 

[結論]

・CDAIとRAPID3R+SJ1はBooleanと似ている。

・DAS28とRAPID3RはBooleanと似ていない。

・よって、RAPID3には関節診察が必要である。

                            担当:三輪裕介

 

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