Journal Club【20140514】Tripterygium wilfordii Hook FはRAに有効か?

「Comparison of Tripterygium wilfordii Hook F with methotrexate in the treatment of active rheumatoid arthritis (TRIFRA): a randomised, controlled clinical trial」

Lv Q-wen, et al.

Department of Rheumatology and Clinical Immunology, Peking Union Medical College Hospital, Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical College, Beijing, China.

Ann Rheum Dis 2014 Apr 14. doi: 10.1136/annrheumdis-2013-204807. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24733191

 

漢方薬のTripterygium wilfordii Hook FはRAに有効であるか?

 

<背景と目的>

・疾患活動性のあるRA患者にMTXとTripterygium wilfordii Hook F (TwHF)を併用した際の有効性と安全性を検討する。

方法

・デザイン:RCT (登録:NCT01613079)

・対象疾患:RA

・対象人数:207人 (スクリーニングは269人)

・対象薬剤:MTX vs. TwHF vs. MTX+TwHF (1:1:1)に機械的に割付

・薬剤使用量:MTX 7.5mg/w→12.5mg/w(0.20-0.25mg/kg)+葉酸 10mg/w, TwHF:20mg*3/day

・対象施設:9施設共同(北京国際大学が中心)

・選定基準:ACR分類基準(2010 ACR/EULAR)、18-65歳、罹病期間:6週間以上、SJC≧3、TJC≧5, ESR≧28 or CRP≧20mg/L

・実施期間:2012/5-2013/6

・除外基準:慢性重篤感染症、現在の感染症と癌、妊娠中、授乳中、挙児希望者、3カ月以内のDMARDやBio使用者

・許容項目:NSAID継続、PSL≦10mgに相当するステロイド

・測定項目:DAS28(ESR, CRP), HAQ (SF-36)

・エンドポイント:1次ACR50(24週)、2次ACR20, ACR70, EULAR改善基準, CDAI

・実施期間:24週間(ただし、monotherapy群は12週でDAS28>30%改善なければ、MTX+TwHF群に移行)

・倫理規定:各施設に従う

・インフォームドコンセント:書面にて取得

・解析ソフト:SPSS V.17.0+SAS V.9.1

 

<結果>

・ITT解析にて施行

・ACR50反応率:46.4%(MTX), 55.1%(TwHF), 76.8%(MTX+TwHF)

・TwHF>MTX, MTX+TwHF>MTXで統計学的有意差あり

・ACR20, ACR70, EULAR response, EULAR remission, LDAも同様

・SF-36:全群で改善(p<0.05)。群間の有意差なし。

・安全性。7人(TwHF), 3(MTX), 5(MTX+TwHF)で不正性器出血あり(群間の差はない)

 

<議論と限界>

・TwHFは安い(around US$10/month)

・TwHFは北京国際大学通院中の30000人以上のRA患者の2/3に使用されている。

・98%の患者はDMARDはnaiive

・TwHFは炎症性マーカーにかかわるIL-2, NO, TNF-α, COX-2, IFN-γの産生をおさえる

・limitation:オープンラベル。プラセボなし。二重盲検ではない。評価者の訓練が一定ではない。

24週でのX線での評価なし。MTX使用量の上限が12.5mg/wと少ない

・各群でのPSLの量が記載されておらず、交絡因子となりうる。

<結論>

・TwHFはMTXを凌駕する治療法ではないが、MTXと併用することでRAの疾患活動性を制御しうる

                  担当:三輪裕介

 

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