Journal Club【20170531】2nd Bioは抗TNF製剤が良いか非TNF製剤が良いか

『Non–TNF-Targeted Biologic vs a Second Anti-TNF Drug to Treat Rheumatoid Arthritis in Patients With Insufficient Response to a First Anti-TNF Drug : A Randomized Clinical Trial』

Jacques-EricGottenberg et.al

JAMA 2016/Sep.20 Vol.316 No.11/1172-1180

 

P:1stBioの抗TNF製剤にて効果不十分だったRA患者

E:2ndBioを非TNF製剤きりかえた治療

C:2ndBioもTNF製剤で治療

O:24週後のDAS28-ESRの改善率

 

  1. セッティング

フランス国内47施設(Club des Rhumatismes et Inflammation)

2009年12月から2012年8月にかけて登録された患者

 

  1. 研究デザインの型

多施設共同、オープンラベル、平行群間、ランダム化試験

ROC(Rotation or Change)試験  観察期間は12ヶ月

 

  1. Population、およびその定義

ACR1987 RA分類基準、骨びらんの有無、DAS28-ESRが3.2以上、

開始4週間以上前からPSL(15mg/日以下)、DAMARDsが一定量

除外基準:1st Bioが有害事象で中止、TNFを2剤以上使用歴、

非TNFの使用歴、感染症あり、5年以内の癌病歴、妊婦・授乳婦

 

  1. 主な要因、および、その定義

非TNF群  ABT:体重にあわせ500~1000㎎(初回、2週、4週以降4週に1回)静注

RTX:1000㎎(初回、2週後)

TCZ:8㎎/㎏(毎月1回)静注

 

  1. Control、および、その定義

TNF群(1st とは異なるもの) ADA:40㎎を2週毎

CZP:400㎎(初回、2週、4週)以降200㎎を2週毎

ETN:50㎎を週1回

IFX: 3㎎/㎏(初回、2週、6週以降8週に1回)

内服ステロイドの用量調節、関節内注射は両群で可能

無効例、有害事象例、患者の希望により中止例を脱落とした

 

  1. 主なアウトカム、および、その定義

24週目のEULARのRA分類(2010?)によるDAS28-ESRの改善率

DAS28が1.2以上低下し、3.2以下になった症例➡反応良好

0.6以上低下し、5.1以下になった症例➡中等度反応と定義

 

  1. 交絡因子、および、その定義

患者背景に差はなし(Table1)

 

  1. 解析

多変量解析:混合ロジスティック回帰モデルにて12、24、52週の2群間の差

差がでないときはウィルコクソン検定

 

  1. 結果
  • 300人を1:1にランダム化、解析対象は各群146人

【非TNF】ABT33人、RTX41人、TCZ70人、

【TNF】ADA57人、CZP23人、ETA53人、IFX8人

  • 24週時点での反応良好・中等度反応の割合は【非TNF】101人、【TNF】76人

オッズ比2.12(95%CI 1.31-3.46)絶対差17.6%(95%CI 6.4-28.8%)

➡有意差あり

12週、52週時点でも有意差あり(Table2・Figure2)

  •  HAQは有意差なし(Figure2)
  •  治療継続率も非TNF群の方がよい
  •  非TNFの各薬剤間では24週時点では有意差なし

 

  1. どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?
  • RTXはRAに対し国内適応外
  • CRPは2群間で有意差がでなかった(TCZの有無は影響しない)
  • 患者背景(経済的余裕や治療の積極性)によってはtryしやすいが副作用に注意が必要

 

  1. Limitation
  • 盲検化されていない
  • GLMおよびJAKが含まれていないためそれらの位置づけをどうするか
  • MTXの併用に関して定義がない(約40%が非併用)
  • 製剤ごとの比較ができていない
  • 非TNF群は(点滴)静注投与だがTNF群はIFX以外自己注射のためアドヒアランスに差がある可能性あり

 

  1. 自分で考えた交絡因子
  • 既往・合併症の有無

 

  1. この論文の弱点
  • DMARDsの選択は医師の裁量
  • 安全性の評価ができていない(AEの細かな解析をしていない)

 

  1. 理解できなかった点
  •  「constrained longitudinal analysis」➡制約付き経時データ解析

ベースラインが異なる2群の比較をする場合、交絡因子となるものを除くために真のベース

ラインを平均値として求め、ベースラインの差の調整をおこなったものを改めて解析したもの?

➡交絡因子への影響をなくすため?

 

  1. 好ましい点
  • Primary endpoint以降もf/uしている(長期投与データ)
  • 市場に出ている製剤を幅広く網羅している

 

【上級医のコメント】

  • Openラベルであり、アウトカム評価へのバイアスは生じうる。
  • Inclusion criteriaの1つにErosionがある症例としており、比較的進行が速い患者さんがエントリーされている。また、前治療が効果不十分と判定した期間が記載がなく、群によりキャラクターがばらついている可能性は否定できない。
  • NON-TNFの約半分がRTXであり、日本での適応は難しい。

 

 

担当:櫻井 康亮

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