Journal Club 【20170705】関節リウマチの線維芽細胞様滑膜細胞におけるCCR3発現とCCR3を介した活性化

『Upregulated expression of CCR3 in rheumatoid arthritis and CCR3-dependent activation of fibroblast-like synoviocytes.』

Liu X, Zhang H, Chang X, Shen J, Zheng W, Xu Y, Wang J, Gao W, He S.

Allergy and Clinical Immunology Research Centre, The First Affiliated Hospital of Jinzhou Medical University, People’s Republic of China.

Cell Biology and Toxicology. 2017 Feb;33(1):15-26.

 

Keyword

CCR3: CC chemokine receptor 3 (CCR3, CD193) 好酸球、好塩基球、肥満細胞、気道上皮細胞に発現し、細胞の遊走と活性化を仲介している。多くの炎症性疾患(UC, アトピー性皮膚炎、特発性後腹膜線維症)に関係しており、関節リウマチにおいても滑膜組織と末梢血に発現が確認され、関節液中のCD8+T細胞と単球上にCCR3の発現亢進を認める。

Eotaxin-1 (CCL11): CCR3のリガンドで、好酸球の遊走因子として、また好塩基球の刺激因子として作用する。

MMP9: RAの滑膜組織に発現を認め、関節破壊における組織のリモデリングにおいて重要な役割を担う。

 

Figure 1. Identification of CCR3+ cell types in synovial tissue of rheumatoid arthritis
バラバラにされた滑膜の細胞において約7%の細胞がCCR3+であり、そのうちの38.1%がCD90+CD14-CD3- cells (representing FLS)、23.8%がCD14+cells 、20.6%がCD8+cells であり、FLSがRA滑膜組織におおけるCCR3陽性細胞のmajor populationsの一つであることを示す。

 

Figure 2. Increased expression of CCR3 in peripheral blood leukocytes of rheumatoid arthritis
健常者末梢血と比較して、RA末梢血ではCD14+ CCR3+ cells 高く、 CD8+CCR3+ cells are は低かった。

 

Figure 3. Levels of eotacin-1, IL-1, TNF-α and matrix metalloproteinase (MMP)- 9 in plasma or synovial fluid (SF) (ELISA).
  1. a) Eotaxin-1:健常者血漿よりRA血漿、RA関節液において高い
  2. b) TNF-α:健常者血漿とRA血漿は同程度だが、RA関節液において高い
  3. c) IL-1β:健常者血漿よりRA血漿、RA関節液において高い
  4. d) MMP-9:健常者血漿よりRA血漿、RA関節液において高い
RA血漿中のEotaxin-1とIL-1βとMMP-9は強い正の相関関係を認め、IL-1βとMMP-9にも強い正の相関関係を認めたがTNF-αとは相関は認めなかった。RA関節液中のEotaxin-1とIL-1β、MMP-9、TNF-αnには強い正の相関関係を認めた。

 

Figure 4. Eotaxin-1-induced CCR3 mRNA expression in RA FLS.
Eotaxin-1は濃度依存性に、また200ng/mLのEotaxin-1刺激では時間依存性にCCR3 mRNAの発現を亢進させた。
CCR3のantagonistであるSB32437(100uM)とともにEotaxin-1で刺激をするとCCR3 mRNAの発現は49.7%に抑制された。これはEotaxin-1の刺激がCCR3を介し, CCR3の発現を亢進ていることを示唆する。

 

Figure 5. Eotaxin-1-induced matrix metalloproteinase-9 mRNA expression in RA FLS
Eotaxin-1は2h刺激よりも12h刺激でより多く、また50, 100ng/mL刺激では濃度依存的にMMP-9 mRNAの発現を亢進させた。CCR3のantagonistであるSB32437(100uM)とともにEotaxin-1で刺激をするとMMP-9 mRNAの発現は69.7%に抑制された。これはEotaxin-1の刺激がCCR3を介してMMP-9の発現を亢進させていることを示唆する。

 

Figure 6. TNF-alpha and IL-1β-induced eotaxin-1 release from RA FLS
RA FLSを100 ng/mL IL-1β刺激でeotaxin-1分泌が有意に上昇したが、TNF-α刺激ではeotaxin-1の分泌が抑制された。このIL-1βとTNF-αの作用はそれぞれの抗体とともに刺激すると抑制された。

 

)重要なポイント
RA FLSにCCR3が発現していることを初めて報告した論文である。RA FLSへのEotaxin-1刺激がCCR3を介して、CCR3とMMP-9の発現を亢進させている。RA関節液中でEotaxin-1と相関関係を認めたIL-1β刺激ではEotaxin-1分泌が亢進したが、TNF-α刺激では抑制された。
)ユニークなポイント
炎症性サイトカイン(IL-1β)刺激によりFLSからEotaxin-1が分泌され、そのEotaxxin-1がFLS上でその受容体となるCCRの発現を促進している。さらにEotaxin-1はCCR3を介してEotaxin-1の発現をさらに亢進させることはRA FLSにはオートクラインによるCCR3活性化の自己増幅機能(self-amplification mechanism of activation of CCR3)が存在する可能性が示唆されている。

 

担当: 若林邦伸
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