巨細胞性動脈炎に対して抗血小板剤/抗凝固薬の虚血合併症予防への効果【Journal Club 20190717】

※2018年に大血管炎に対するEULAR recommendationがアップデートされた。虚血病変の予防のための抗血小板剤/抗凝固薬はルーチンに投与しない、と変更された。その判断の元となった論文の1つが今回取り上げたpaperである。

Effect of antiplatelet/anticoagulant therapy on severe ischemic complications in patients with giant cell arteritis: a cumulative meta-analysis

Víctor Manuel Martínez-Taboada, Marcos López-Hoyos, Javier Narvaez, Pedro Muñoz-Cacho
Division of Rheumatology, Hospital Universitario Marqués de Valdecilla-IFIMAV, Spain

2014 Aug;13(8):788-94

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<サマリー>
GCAに対して抗血小板剤/抗凝固薬の虚血合併症予防への効果は、診断前から抗血小板剤/抗凝固薬の投与は、重症虚血合併症の予防効果はなかった

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<研究デザインの型:RCT、横断研究、前向きコホートなど>
 Meta-analysis

<Population、およびその定義>
巨細胞性動脈炎の患者

<検索>
  Cochrane Central、Pubmedから1992―2012年の文献
 言語の限定せず
 検索式は、MOOSEにのっとり作成
 評価、データ抽出は2人
観察研究の質をNewcastle Ottawa scale、STROBEにて評価(3人により実施)
 →不一致の場合は話し合い
 GRADEに従ってエビデンスの評価
 PRISMA宣言にのっとり記載
PROSPEROに事前登録済

<解析方法>
CochraneQを用いて異質性評価(P<0.1にて異質性ありと判断)
Random-effect-modelを用いて解析
出版バイアスは、Funnel plot、Eggarテストを使用し評価

<結果>
6つの観察研究から914例のGCAを抽出
診断前から抗血小板剤/抗凝固薬の投与は、重症虚血合併症の予防効果はなかった
(OR 0.6661、 95%CI 0.287-1.520)
診断後から抗血小板剤/抗凝固薬の投与は、重症虚血合併症の予防効果があった
(OR 0.318、 95%CI 0.101-0.996)
診断後から抗血小板剤/抗凝固薬の投与は、出血発症のオッヅ比が有意な差はみられなかった(OR 0.658、 95%CI 0.089-4.856)

<結果の解釈・メカニズム>
異質性が高いために診断前から抗血小板剤/抗凝固薬の効果がなかったとの結果になった可能性がある。抗血小板剤のみでなく、抗凝固薬が含まれたものであり、抗血小板剤のみの効果は不明。

<Limitation>
検索が不十分な可能性あり(Embaseをしていないなど)

<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
ガイドラインでのエビデンスレベルは4と低い状況であり、今後の研究をまつ必要性がある。
診断前より投与した群では差がなかったものの、診断後投与した群では、予防効果はみられており、すべての群に投与してもよいとも考えられる。
老人を対象としたCVDの一次予防研究(NEJM2018;379:1509)での出血のリスクはHR1.38と高値であり、このリスクを上回る臨床状況であれば少なくとも使用すべき。

  <この論文の好ましい点>
検索方法について記載しっかりとなされている点
PROSPEROにて事前登録している点

 

担当:矢嶋宣幸

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