No.26
「Circulating Markers of Vascular Injury and Angiogenesis in Antineutrophil Cytoplasmic Antibody–Associated Vasculitis」
Arthritis & Rheumatism, 2011; 63: 3988–3997
Monach PA, et al
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21953143
<目的背景>
ANCA関連血管炎(AAV)の活動性や病態の評価の指標となるバイオマーカーはあるか。
<患者/方法>
RAVE trialの患者197名中血清が測定しえ、6か月後に病勢評価ができた146名(GPA:127, MPA;36)。Baselineと6か月後の病勢評価(BVAS)と従来の炎症マーカーであるCRPやESRに加え、MMP-1, MMP-3, MMP-9, VEGF,E-selecin, ICAM-3, Trombomodulinを測定し、有用性を比較した。
<結果>
①6か月後に寛解をえられた123名においてはbaselineと比較し6か月後ではE-selectinを除くすべてのマーカーが有意に低下した。
②6か月後に疾患活動性が高かった23名では寛解が得られた患者と比較すると、MMP-3, MMP-9のみ有意に高かった。
その他のマーカーは6か月後の活動性との関連はなかった。(table1, table2)
③baselineの病態との関連性:活動性の高い腎障害を有する患者ではMMP-3, trombomudulinのみが有意に高値だった。(table3)
④MMP-3は開始時のステロイド使用の有無に影響を受けなかった。
<考察>
1. MMP-3は活動性腎障害の存在を疑う根拠となり、疾患活動性と関連する可能性が示唆
これまでに言われていること
A)MMP-3は川崎病、特に冠動脈瘤と関連
B)高安病で上昇する
C)GPAでの上昇はGPAにより動脈硬化がもたらされるためとの仮説がある
D)ステロイド使用でMMP-3値は上昇する
⇒今回の研究ではGC内服の有無で差はなかった。
<Limitation>
①治療内容について考慮していない
②経過中の軽微な再燃については評価していない
③予後を予測しうるものではない
④MMP-3含め検査の精度の限界
担当:高橋 良
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