Journal Club【20130109】SLE患者において1児目と2児目では合併症は異なる?

「Second pregnancy outcomes for women with systemic lupus erythematosus」

Antonia W Shand,et al

Ann Rheum Dis. 2012 Jun 29. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/ 22753385

 

SLEの出産の際の母体および子の合併症の発症率を1児目出産時と2児目出産時とで相違を検討した

 

<結果>

・532612人(794577産)のオーストラリアデータベースのうち、SLE675人(1058産)のうち、2001-2008年の間に初産を経験した313人を対象とした。

・177人は2回の出産、136人は1回のみの出産(Figure 1)。

・SLEと非SLEではSLEの方が、高齢、腎障害、血栓症の既往(肺など)、脳血管エベント、早産、5分間アプガスコア7点以下、心ブロックのリスクが高い(Table 1)。

・1児のみの出産群は、2児出産群と比較すると、高齢、腎障害が高率である(Table 2)。

・2回出産した177人のなかで、1回目の出産の際に死産、新生児死亡、正常産、妊娠32週未満、子宮内発育不全であった群をそれぞれ2回目の出産の際の自然流産群、周産期死亡群、正常産群とに分けて発症率の検討をした結果はそれぞれの群に差はない(Table 3)。

・1回目の出産で周産期死亡であった10人のうち、9人が2回目の出産では通常産であった。

・1回目正常産であった167人で、2回目の出産では18人が自然流産、1人が周産期死亡、148人が正常産であった。

<limitation>

・治療情報に関する臨床検査所見がない。

・SLEの活動性、APSの活動性、尿酸について検討していない。

<まとめ>

・SLE合併妊娠は妊娠合併症の危険因子になるが、2回目の出産の際には1回目の合併症有無が2回目の危険因子にはならないであろう。

           担当:三輪裕介

 

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