『Risk factors for a first thrombotic event in antiphospholipid antibody carriers: a prospective multicentre follow-up study』
Ann Rheum Dis. 201;70:1083-6
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21285115
血栓症の既往がない免疫学的にAPSと診断された258例のAPS患者を対象に平均35週間後の血栓症の発症の有無を調べ、血栓症発症のリスク因子が何かを検討した。
<患者>258人中177人が何らかの膠原病疾患を有しており、そのうち70人(27.1%)はSLE
258人中208人が長期or短期の抗血小板薬、抗凝固役などの予防投与の既往があった。
<方法>年1回の受診時に全身状態、嗜好歴、血液検査などを評価
<結果>多変量解析では高血圧(p<0.05)、Lupus anticoagulant(p<0.05)が独立した血栓症のリスク因子であった
抗血小板薬、抗凝固薬の予防投与は発症リスクに関連しなかった。
<Discussion>
これまでの報告
①高血圧はaPL carriersにおける血栓症のリスク因子である
(Ann Rheum Dis 2009;68:397-9)
②高血圧はaPL carriers、APSのいずれにおいても動脈血栓のリスクである
(Rheumatology 2002;41:924-9)
(J Rheumatol 2004;31:1560-7)
③aPL carriersにおけるLA+も動静脈血栓のリスク因子との報告もある
(LancetNeurol2009;8:998-1005)
⇒この研究は血栓症の既往のない純粋なaPL carriersにおける初めてのprospective cohortである
④これまでの報告と同様、妊娠は血栓症のリスクを高めない
⇒ほとんどの妊婦がアスピリンやヘパリンで予防をおこなった影響か?
⑤aPL carriersは経口避妊薬やホルモン療法は避けるべきと推奨されているためか、このstudyではホルモン療法などを受けている症例は12名と少なくriskかどうかの評価はできない
⑥high riskの状況での血栓症のリスクは単変量解析ではいままで報告があり、予防投与はhigh risk患者に限定してもよいかもしれない。
(High risk: pregnancy/puerperium, immobilization and surgery)
<Imitation>
1.統一されたaPLの検査方法が行われていない
2.観察期間が短くより長期観察が必要
担当:高橋良
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