「Exposure to ultraviolet-B and risk of developing rheumatoid arthritis among women in the Nurses’ Health Study」
Ann Rheum Dis 2013;72:506–511.
Arkema EV, et al,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23380431
<目的>
・紫外線などの環境因子がRAに及ぼす影響については報告がある。
・UV-B暴露がRA発症のリスクと関連しているか否かをthe Nurses’ Health Study (NHS) and the Nurses’ Health Study II (NHSII).という2大前向き研究にて調査する。
<方法>
・NHSは1976年に施行し、106368人、30-55歳。
・NHSⅡは1989年に施行し、115561人、25-42歳。
・RAの発症率をNHSでは2008年に、NHSⅡでは2009年に調査。
・平均UV-B暴露量は緯度、高度、雲量別に居住状況を勘案し、低(<109 R-B)、中(109< <117 R-B)、高(>117R-B)の3つに分類。
・多変量解析コックス比例危険モデルを使用した。
・RAの診断基準は1987年のACRの分類基準を使用。
・他、喫煙歴、出産歴、授乳歴、閉経歴、人種、身体活動性、アルコール消費量、夫の教育レベル、収入、BMI、ビタミンD摂取なども調査した。
<結果>
・1314人がRAと診断された。
・NHSではUV-B暴露が多い程、RA発症のリスクは低い(CI:0.79)。
・しかしNHSⅡではUV-B暴露とRA発症には関連なし。
・出生時と15歳時で検討しても同様の結果。
・NHSでは52歳未満では発症率は低い。
<議論>
・NHSではUV-B暴露がRAの発症率を低下させるが、NHSⅡでは低下させない。
・紫外線回避行動が若年層に浸透してきたためか。
・NHSⅡは32年、NHSは20年後outcomeの調査であり、後者は期間が短い。
・NHSⅡの方がビタミンD摂取の割合が多いことがRAの発症を低くしている可能性がある。
・限界としては、UV-Aは調べていないこと、転居すればUV-Bの暴露量は異なるはずだが出生地と15歳時の居住地を調べているのみであることが挙げられた。
<結論>
・UV-Bの暴露はRAの発症リスクを少しだけ下げる。
担当:三輪裕介
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