「Efficacy of Remission-Induction Regimens for ANCA-Associated Vasculitis」
Ulrich Specks, M.D., et al , for the RAVE-ITN Research Group
Mayo Clinic Foundation, Rochester,
N Engl J Med 2013;369:417-27.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23902481
リツキサンによるANCA関連血管炎の寛解導入はシクロフォスファミドに劣る? RAVE studyの18Mでの結果
<対象>
・9つの施設からCr 4mg/dl以下、ANCA陽性、BVAS3以上の初発および再燃したMPA、GPA
<方法>
・rituximab(RTX)は週1回375mg/m2を4回(n=99)、cyclophosphamide(CY)は2mg/kg内服(n=98)とした。
・CY群は寛解が得られた3-6M後にAZP 2mg/kgへ変更。
・PSLはmPSLpulseを1−3回施行し、1mg/kgより開始。24週で寛解であれば中止とした。
・1stend pointは12M、18M後のcomplete remission (BVAS 0およびPSL 0mg)
<結果>
・12M後でのcomplete remission(BVAS 0およびPSL 0mg)であったのは、RTX群 47/99例(47%)、CY群 38/98例(39%)であった(p=0.22)。
・18M後でのcomplete remission(BVAS 0およびPSL 0mg)であったのは、RTX群 39/99例(39%)、CY群 32/98例(33%)であった(p=0.32)。
・18M後にremission(BVAS 0)およびPSL <10mgであったのは、RTX群 54/99例(55%)、CY群 52/98例(53%)であった(p=0.84)。
・再発例のみの抽出では、RTX群 19/51例(37%)、CY群 10/50例(20%)であった(p=0.06)。
<6Mでは、RTX群でremission率が良かったが、18Mでの検討では差がなくなった>
・再燃は、RTX群 24/99例(32%)、CY群 20/98例(29%)と差がなかった。
・6M後にBVAS 0およびPSL<10であったのは、RTX群 70/99例(71%)、CY群 61/98例(62%)と差を認めなかった。
・副作用全体の出現は、RTX群 1371.5回/人月、CY群 1331.9回/人月と差を認めなかった。
・副作用別でみると、血球減少、肺炎がCY群で多かった。
<Discussion>
・RTXでは末梢血のB細胞は9-12M程度で再上昇するが、効果としては18Mでも継続することが証明された
・limitationとしては、重症でANCA陽性例のみであり、軽症例やANCA陰性例への効果は不明、人工呼吸器が必要な肺胞出血やCr4以上の腎障害例についての効果は不明。
<結論>
・12Mおよび18Mでも、RTXの重症AAVに対する効果はCY→AZAに劣らなかった。
**日本でも2013年1月に公知申請に係る事前評価が終了し保険適応の対象となり使用する機会がでてくるでしょう。
担当:矢嶋宣幸
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