Journal Club【20140409】RAでは腎機能は低下する?

「Development of Reduced Kidney Function in Rheumatoid Arthritis」

LaTonya J. Hickson, Cynthia S. Crowson, Sherine E. Gabriel, James T. McCarthy, andEric L. Matteson

Division of Nephrology and Hypertension, Mayo Clinic College of Medicine, Rochester, MN.

Am J Kidney Dis. 63(2):206-213.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24100126

 

RA患者さんの腎機能は低下する?

 

<対象>

・RA患者813例とnonRA患者813例

<方法>

・推定GFRを用いた腎機能(①eGFR<60 ②eGFR<45)、心血管疾患、死亡をoutcomeとした過去起点コホート研究

 

<結果>

・登録の時点で、RA群でnever smorkerは少なくeGFRは高値であった。

・eGFR<60に低下したのは、RA群で111例、nonRA群で88例であった。RA群での10yでの累積発生率は15%、25yでは25.1%であった。nonRA群では10yでの累積発生率は9.9%、25yでは20.2%であった。

・eGFR<45に低下したのは、RA群で46例、nonRA群で51例であった。RA群での10yでの累積発生率は4.2%、25yでは9.3%であった。nonRA群では10yでの累積発生率は5.6%、25yでは10.4%であった。

・RAにて腎機能を低下させる因子は、eGFR<60ml/min/1.73m2ではESR高値(1yで10mm以上上昇) :HR1.08、もともとのCVDの存在:HR1.77。<45では、ESR高値、CVD、重症な関節外病変、ステロイド全身使用。

・逆に腎臓を保護してくれる因子としては、BMI<20、NSAIDsが抽出された。

・死亡例はRA群で229例、nonRA群で108例。eGFR<60はRA群・nonRA群ともに死亡率と関連性があった(RA群HR:1.25、nonRA群HR:1.59)。 RA群ではnonRA群と比較して死亡率への影響は少なかった。eGFR<45でも同じような結果であった。

・CVD例はRA群137例、nonRA群で108例。eGFR<60はRA群・nonRA群ともにCVDと関連性がなかった。しかし、eGFR<60では、CVDのリスクを上昇させた(HR:1.93)

 

<Discussion>

・limitationとして、eGFRの計算にCKD-EPIを使用しており腎機能を低めに計算してしまう可能性がある、白人のstudyであり他の人種には適応できない可能性があること。

 

担当:矢嶋宣幸

 

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