Exercises to improve function of the rheumatoid hand (SARAH): a randomised controlled trial
on behalf of the Strengthening and Stretching for Rheumatoid Arthritis of the Hand Trial (SARAH) Trial Team† ,
運動療法は関節リウマチにどれ程よいのか。
【背景】
RA患者の手において、DMARDsや他の治療法は十分に疾患活動性を向上させ、関節破壊をコントロールする事ができる。
しかし、それに同等の機能変化、そしてQOL変化は常に示されるわけではない。
患者に適合した運動はさらなる改善をもたらす可能性があるが、エビデンスは無い。
我々は通常の12ヶ月のケアに加えた患者に適合した手の訓練の効果と費用効果を評価した。
【方法】
英国の17の国民健康保険施設における国内の多施設、共同研究において、
無作為に490人の手の疼痛と機能障害を持ち、最低3ヶ月の期間安定した治療を行われているRAの成人を
通常ケア群か通常ケア+患者に適合した手の強化と体操を行う群に割り付けた。
参加者は無作為に割り付けられた。
割り付けはコンピューターにより行われ、無作為割り付け後は参加者や治療者には盲見化していない。
アウトカム評価者と研究者は割り付けは盲見化された。理学療法士、作業療法士が治療を行った。
一次アウトカムは12ヶ月後のmichigan HAQの手の機能スコアとした。
解析は治療の意図で行われた。質調整生存年数あたりの費用を算出した。
【結果】
2009年10月5日から2011年5月10日までの間、1606人を調査し、
内490人を無作為に通常ケア群(n=244) と患者に適合した運動群 (n=246)に割り付けた。
490人の内438人(89%)は12ヶ月のフォローアップデータを得た。
総合的な手の機能改善は通常ケア群で3.6ポイント(95% CI 1·5–5·7)、患者に適合した運動群で7.9(6.0–9.9)ポイントであった
(グツープの平均の差は4.3ポイント、95% CI 1.5–7.1; p=0·0028)。
痛み、薬剤治療内容、そして医療財源は12ヶ月安定しており、二群間に差はなかった。治療による重篤な有害事象はなかった。
患者に適合した運動群の費用は1人当たり156£(ポンド)(1ポンド約180円→約28,000円)、EQ-5Dでの質調整生存年数あたりの費用は£9549(約1,718,820円)であった。
【結論】
患者に適合した運動は様々な薬物療法に加えてる価値があり、低費用の治療介入である事を示した。
機能障害やQOLにおけるDMARDs治療の効果の最大化は重要な治療の目的であるべきである。
担当 柳井 亮
****************************************
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、若手医局員の教育に注力しております。詳細はこちらをご覧下さい。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、研究するための時間を確保するprotect time制度を開始いたしました。こちらをご覧下さい。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、他医療機関での研修を年に1週間行っております。こちらをご参照ください。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、広い視野を持てる医師を育成したいと考えております。医療コミュニケーションや教育理論の勉強会を行っております。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、手稲渓仁会病院の岸田先生による感染症専門医による感染症コンサルテーションを年に3−4回行っております。詳細はこちらをご参照ください。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、ケースベースの膠原病勉強会を行っております。こちらをご覧下さい。