Ann Rheum Dis 2015;0:1–9. doi:10.1136/annrheumdis-2014-207191
The effect of tofacitinib on pneumococcal and influenza vaccine responses in rheumatoid arthritis
Winthrop KL, et al.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25795907
Tofacitinib使用中にワクチン接種の効果はあるのか?
〔背景と目的〕
・Tofacitinib使用中のRA患者に対する肺炎球菌とインフルエンザの効果の検証
〔方法〕
・デザイン:A 二重盲検プラセボコントロール。B オープンラベル
・対象施設:多施設共同
・実施時期:2011-2012年
・対象患者:A TofacitinibナイーブのRA患者
B すでにTofacitinibを3カ月以上使用中のRA患者
・介入 :A プラセボとTofacitinibブ10㎎使用群に割付、開始4週後にワクチン接種
B 継続と中止に割付、開始2週後にワクチン接種
共通事項 MTXは同量で継続(10-25㎎/w)、PSL≦10㎎/日
使用ワクチン:肺炎球菌PPSV-23(ニューモバックス)、インフルH1N1, H3N2, B
ワクチン接種4週後に抗体価を測定
・測定項目:抗体価(肺炎球菌:12種類、インフルエンザ:3種類)をGMFR法で測定
・除外基準:6か月以内のインフルエンザワクチン接種、5年以内の肺炎球菌ワクチン接種
・解析 :No DMARD, MTX mono, Tofacitinib mono, Tofacitinib+MTXの4群比較
〔結果〕
・A 肺炎球菌の抗体価が認められた割合
Tofacitinib群:45.1%、プラセボ:68.4%、MTX+ Tofacitinib群:31.6%(差あり)
インフルエンザの抗体価が認められた割合
Tofacitinib群:56.9%、プラセボ:62.2%(差なし)
・B 肺炎球菌の抗体価が認められた割合
継続群:75.0%、中止群:84.6%(差なし)
インフルエンザの抗体価が認められた割合
継続群:66.3%、中止群:63.7%(差なし)
〔議論〕
・効果をワクチンの抗体価を用いて調べている
・肺炎球菌PPSV-23:TNFで↓or→、リツキサンで↓、アバタセプトで↓、MTXで→
・インフルエンザ:TNFで→、リツキサンで↓、アバタセプトで↓、MTXで→
・今回の結果の理由。Tofacitinibはリツキサンやアバタセプトと似ている?
〔限界〕
・肺炎球菌PCV-13は見ていない
・肺炎球菌の12種類の抗体価しか測定していない
・抗体価の研究(発症率、死亡率、合併症などの研究ではない)
・全例MYX併用下である。
〔結論〕
・Tofacitinibを新規に開始した患者では、肺炎球菌のワクチンの抗体価が上昇しにくかった。インフルエンザでは有意な差はなかった。Tofacitinibを中止しても効果に差はなかった。
担当:三輪 裕介
****************************************
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、若手医局員の教育に注力しております。詳細はこちらをご覧下さい。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、研究するための時間を確保するprotect time制度を開始いたしました。こちらをご覧下さい。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、他医療機関での研修を年に1週間行っております。こちらをご参照ください。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、広い視野を持てる医師を育成したいと考えております。医療コミュニケーションや教育理論の勉強会を行っております。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、手稲渓仁会病院の岸田先生による感染症専門医による感染症コンサルテーションを年に3−4回行っております。詳細はこちらをご参照ください。
・昭和大学リウマチ膠原病内科では、ケースベースの膠原病勉強会を行っております。こちらをご覧下さい。
・昭和大学リウマチ膠原病内科にて研修された研修医の先生の感想を掲載しております。