BMJ. 2015 Mar 13;350:h1046. doi: 10.1136/bmj.h1046
Tumour necrosis factor inhibitors versus combination intensive therapy with conventional disease modifying anti-rheumatic drugs in established rheumatoid arthritis: TACIT non-inferiority randomised controlled trial.
Scott DL et al.
TNFαとDMARDS併用はどちらが良いのか(費用面も考慮して)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25769495
【Objective】生物学的療法は、関節リウマチ患者の治療に著しく有効である。しかし、生物学的製剤は高価であるため生物学的製剤が従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)よりも有意に優れているのかを検討した。
【Methods】イギリスの非盲検研究において、国内24施設よりDMARD併用療法(通常はmethotrexate+sulfasalazineまたはleflunomide)に対する反応が不十分なRA患者214人をランダム化した。評価項目はmHAQ,EQ5D-3L,SF-36,Larsen Score,DAS-28,費用とし観察期間は1年間とした。対象者はDMARD併用療法(methotrexateを含む)を継続する群、またはmethotrexateと生物学的製剤(tumor necrosis factor:TNF)の投与を受ける群にランダム化され、DMARDの組み合わせは、治療している臨床医によって一任された。研究期間中、反応が不十分なDMARD群の患者は抗TNF療法を開始することができ、およそ半数が抗TNF療法を開始した。
【Result】すべての評価項目において両群とも改善しているが、両群間での有意差はなかった。また費用についてはDMARDs群(途中で抗TNF療法を行った患者も含む)では平均€4930、抗TNF療法群では平均€7570とDMARDs群の方が安価であった。
【Discussion】今回の検討では12か月時点での治療効果に有意差はなく、費用に注目すればDMARDs併用療法から開始することが推奨される。しかし寛解に至るまでの期間は初期から抗TNFを使用した群の方が短く、何を重要視するかを考慮する必要がある。
【Limitation】1.盲検化されていない2.DMARD併用療法は標準化されていない3.観察期間が短い。
担当:梅村 方裕
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