International Journal of Neuroscience, 2014; Early Online: 1–4
Different types of headache in patients withsystemic lupus erythematosus
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3109/00207454.2014.951041?journalCode=ines20#.ViSSzRGhdYc
SLE患者の頭痛の性状、疾患との関連性はあるのか?
対象:ACR分類基準を満たす40名のSLE(男性5名、女性35名)
年齢 39±4.7歳
罹病期間 2年以上
末期腎不全の患者は除外
方法:4つのstageでインタビューを行った
1st stage
ここ1年間で少なくとも2週間に一度の頭痛があったか?という質問に対してyesの患者を頭痛ありとする
2nd stage
基本情報の取得:年齢、性別、学歴、結婚の有無、住居
3rd stage
頭痛について
視覚の症状、頭痛のtrigger、痛みの性状、痛みの部位、随伴症状(嘔吐、光過敏、音過敏)、
頭痛の頻度、頭痛の増悪因子、頭痛の既往、鎮痛薬の使用や反応、日常生活への支障の有無、頭痛の家族歴
4th stage
臨床的特徴、治療内容、疾患活動性および活動性と頭痛との関連
*国際頭痛学会の基準に準じて頭痛を分類し、統計手法は対応のないt検定とカイ2乗検定を用いた。
結果:
・年齢、罹病期間、疾患活動性に有意差なし
・中枢神経症状の有無(痙攣4名、精神症状3名、片側不全麻痺2名)と頭痛の家族歴は有意差を認めた。
2/3が最低2回/週の頻度で頭痛を自覚し、日常生活に支障をきたすような中等度から高度の頭痛であった。
・今回使用した質問によると、SLEの疾患活動性や治療内容(NSAIDs、抗マラリア薬、ステロイド、アザチオプリン、シクロフォスファミドなど)と頭痛の発生との関連は認めなった。
・2人を除いて鎮痛薬は効果があった。(2人はステロイドの増量を要した)
討論:
・SLEの頭痛は筋緊張型が多く、一般人口と比較しても筋緊張型の頻度が高い。
・活動性が高いSLEにはひどい頭痛が伴うといった意見もあるが、今回の結果からは疾患活動性や重症度との関連は認めなかった。
・これまでSLEの頭痛の発症のメカニズムに関してはわかっていない。
サイトカインの関与や血管障害、ニューロンの障害などメカニズムに関して議論がなされてきたがいまだに明らかでない。
SLEに伴う頭痛であるとするならば、感染症や高血圧などほかの頭痛を誘発する原因の除外が必要。
結論:
筋緊張型と偏頭痛はSLEの頭痛において頻度が多く、CNSループスや頭痛の家族歴と関連あり。また頭痛の存在や重症度は疾患活動性や治療内容と関係しない。
頭痛の特徴とは関係なく罹病期間が長い患者や高齢者の場合は必要に応じて神経学的評価と画像検査を行うべきである。
- 担当: 古屋 秀和
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