Scand J Rheumatol. 2015;44(2):143-9. doi: 10.3109/03009742.2014.973061. Epub 2015 Jan 6.
Antibodies to early EBV, CMV, and HHV6 antigens in systemic lupus erythematosus patients.
Rasmussen NS et al.
SLEはEBV、CMV、HHV6と関連があるか
Objectives
EBV早期抗原・CMVpp52・HHV6p41それぞれの抗体価をSLEの患者と健常人において比較した.
Method
コペンハーゲン大学にかかりつけのデンマーク人,77人のSLE・29人の健常人を対象とした.EBV早期抗原・CMVpp52・HHV6p41のDNAポリメラーゼに対するIgM・IgG・IgA値を測定した.統計にはマンホイットニーU検定・フィッシャー検定・クラスカル−ワリス検定を用いた.
Results
EBV早期抗原のIgM・IgG・IgA値,CMVpp52のIgG・IgA値においてはSLE患者のほうが健常人よりも高値であった.
各抗体価は免疫抑制療法の有無による関連が認められなかった.
EBV早期抗原・CMVpp52の抗体価で検討すると,CMVpp52のIgG値において抗ds-DNA抗体・リンパ球数に相関関係を認めた.
Discussion
本研究はCMVpp52・HHV6p41におけるSLEと健常者を比較した最初の報告である.
過去の報告ではCMVpp52のIgG値が健常人と比較しSLE患者において高値であるというもの, EBV早期抗原IgG値が再活性化と相関するとの報告があるが,結果に差が生じた理由としてウィルス感染の罹病期間の差が考えられる.
EBV・CMVによる細胞崩壊とSLEの発症には関連があり,HHV6には関連がないと言える.
EBV早期抗原・CMVpp52において液性反応が再活性化と関連があることが予想されるが,EBV早期抗原においてはリンパ球数の低下と,CMVpp52においてはリンパ球数の増多と関連がある傾向を示しており相反する結果となった.
Cell-free viral DNAを定量できず,溶菌活性をモニタリングできなかったこと,微量なウィルス量に関しては検討の対象となっていない可能性がある.
EBVに関しては特に形質細胞様樹上細胞由来のIFN-αが誘導されることが分かっている
担当:徳永 剛広
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