Ann Intern Med. 2015;163:409-416. doi:10.7326/M14-2470 www.annals.org For author affiliations, see end of text. This article was published online first at www.annals.org on 11 August 2015.
Patients With Ankylosing Spondylitis Have Increased Cardiovascular and Cerebrovascular Mortality: A Population-Based Study
Nisha Nigil Haroon, MD, DM, DNB, MSc; J. Michael Paterson, MSc; Ping Li, PhD; Robert D. Inman, MD; and Nigil Haroon, MD, PhD, DM
http://annals.org/article.aspx?articleid=2424871
強直性脊椎炎は心脳血管イベントによる死亡率に影響するか
Patient：カナダ オンタリオ州住民
Exposure：Ankylosing spondylitis
Comparison：コントロール群
Outcome：脳血管，心血管死亡率
- セッティング：カナダ オンタリオ州 Ontarian
- 研究デザインの型：コホート内症例対照研究
- 対象
1995年4月〜2011年3月
15歳以上でICD—9CMに則りASと診断され，2回以上の受診歴があり，そのうち1回はリウマチ科医が診療し，2年以上治療されている者:21473名．
コントロール群は年齢、性別、居住地を揃え，1:4の割合でマッチさせた86606名
CAD;coronary artery disease ,CVD：cerebrovascular diseaseを有する患者は除外された．
- 主要評価項目 心・脳血管死亡率
- 解析デザイン
分析：cox比例ハザード
末梢血管障害,高血圧,慢性心臓病,炎症性腸疾患,糖尿病,認知症 ,悪性腫瘍
処方が確認可能な66歳以上でNSAIDsなどの薬物の影響も感度分析を追加した．
- 結果
AS群の平均年齢は45.66歳で53％は男性だった．合併症としてはIBDがAS群6.0%，コントロール群0.4%と比較して多かった．(table1)
観察期間中，AS群では170例の死亡，コントロール群では594例の死亡でありAS群はHR1．43［95％Cl，1.19 to 1.72］と43％の血管死亡率リスクが高いことが示された．
AS群では脳血管死亡率HR1.60[Cl,1.17 to 2.2],心血管死亡率HR1.35[Cl,1.07to1.70]とコントロール群と比較して高かった．（table2）
合併症で調節したものをカプランマイヤー曲線で示したが，有意差を認めた．
AS群の中で血管死亡の独立リスク因子を評価した．（figure2 top）
年齢（12％/年），性別（男性＞女性），収入，認知症に加え末末梢管障害を有する者は6倍のリスクがあるとの結果となった．
薬剤の血管死亡率への影響を踏まえ，処方データが入手可能な，66歳以上の患者でサブグループ解析を行った．AS群2178（平均年齢74.2歳），コントロール群8682（平均年齢74.4歳）でAS群の方が有意に血管死亡率は高かった．（HR，1.48[Cl1.12to1.94]）．また，ASの死亡率は古典的NSAIDs，スタチンの利用で減少した．（Figure2 bottom）
8．Limitation
ASの診断はニューヨーク基準に則っていない．
診断されていない糖尿病，肥満，運動機能低下，喫煙，アルコール量などの情報が不足．
table,figureは論文参照
担当：小黒 奈緒
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