『Cigarette Smoking, Alcohol Consumption, and Risk of Systemic Lupus Erythematosus: A Case-control Study in a Japanese Population』
CHIKAKO KIYOHARA, MASAKAZU WASHIO, TAKAHIKO HORIUCHI, TOYOKO ASAMI, SABURO IDE, TATSUYA ATSUMI, GEN KOBASHI, YOSHIFUMI TADA, HIROKI TAKAHASHI and Kyushu Sapporo SLE (KYSS) Study Group
J Rheumatol 2012;39;1363-1370
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22589266
喫煙、飲酒はSLEの発症リスクになるか:日本人でのケースコントロールスタディ
P:日本人女性
E:喫煙、飲酒あり
C:喫煙、飲酒なし
O:SLEを発症
- セッティング:どのような場所で研究したか?
九州大学病院、佐賀大学病院、九州にある関連病院へ2002年から2005年に受診した方
2004年から2005年に札幌医科大学とその北海道にある関連病院を受診した方
- 研究デザインの型:case control study
- Population、およびその定義
SLE:1982年ACR分類基準を満たした方
コントロール:九州と北海道の看護大学生、介護施設勤務者、ヘルスクリニックの参加者
- 主な要因、および、その定義
SLE発症前の生活をアンケートで聴取
喫煙
current smokers SLEと診断される、またはアンケートをとられる一年以内に吸っていた
何年吸っていたか、平均何本吸っていたか、最も多くて何本吸っていたか、タバコをどの
くらい吸うか(吸う長さ。何分の一まで吸うか)、どのくらい吸い込むか
タバコの喫煙年数は、1日あたり喫煙したタバコの数と喫煙年数との比として計算した。
飲酒
current drinker:診断、またはアンケート時以前に飲んでいた
nondrinker:一生で一度も飲んでいない、やめて8年たってる
頻度、量、種類
- Control、および、その定義
これまでの生活をアンケートで聴取
- 主なアウトカム、および、その定義
SLEの発症
- 交絡因子、および、その定義
年齢、居住地域、喫煙状況、アルコール摂取量、および教育背景を共変量とした
- 解析
ロジスティック回帰分析で95%CI
調整:年齢、居住地域、喫煙状況、アルコール摂取量、および教育背景を共変量とした
量によって3カテゴリーにそれぞれ分けた
- 結果(箇条書きで、大事なところのみ)
171人のSLE女性患者、コントロールは492人の健常女性
平均発症年齢は29歳
喫煙は発症に関与
量、期間、吸い込みぐあいも相関
お酒はリスクを軽減する
お酒別でも同様
喫煙歴のない飲酒者(OR 6.98,95%CI 2.87-17.0)は、喫煙歴のない者(OR 2.56,95%CI 1.57 〜4.17)よりもSLEのリスクが高く、既往歴のない酒飲みに比べて高かった(参考)。
- どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?
我々が見ているひとはすでに発症しているひとびとなので難しいか。
シェーグレンやMCTDのひとたちがSLEを発症するリスクがあるのか?
- Limitation
男性、喫煙・飲酒環境、受動喫煙はどうか
- 自分で考えた交絡因子
妊娠、内服コンプライアンス
- この論文の弱点(自分で考えたものを記載)
健常→SLEではなく、SLEになりそうなひと→SLEが知りたい
- 好ましい点
喫煙量、お酒の種類まで詳細に聴取していること
担当:三浦 瑶子
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