Efficacy and Safety of Rituximab in Patients With Active Proliferative Lupus Nephritis
The Lupus Nephritis Assessment With Rituximab Study
Brad H. Rovin, Richard Furie, Kevin Latinis, t al
Arthritis Rheum. 2012 Apr;64(4):1215-26
P:ループス腎炎Ⅲ型、Ⅳ型
I:リツキシマブ点滴の併用
C:MMF+PSLのみのLN
O:寛解率
1.セッティング:北アメリカおよび南アメリカ多施設
2.研究デザインの型:RCT
3.Population、およびその定義
・16-75才でACRのSLE分類基準を満たす
・ANA陽性
・12ヶ月以内の腎生検で、IISN/RPSの診断基準でclassⅢおよびclassⅣ
・尿タンパクg/cr比1.0以上
・生検が3ヶ月以上前の場合は尿沈渣以上 かつ 赤血球円柱が検出さること
・除外:50%を超える硬化像もしくは繊維化 もしくはeGFR<25%
4.主な要因、および、その定義
ステロイド+MMF+RTX
RTX:1000mg/回 1,15,168,182日目(計4回)
MMF:1.5gで開始、3g/分3まで増量
mPSL1000mg:1日目とその後2日間で2回(計3回)
PSL:0.75mg/kg/dayで16日目まで その後16週で10mgまで減量
5.Control、および、その定義
ステロイド+MMF
6.主なアウトカム、および、その定義
■Primary outcome
・52週の腎完全寛解(CRR)
Cr上昇有り⇒正常範囲内になること
Cr上昇無し⇒≦115%の変動であること
尿沈渣正常
UPC<0.5g/Cr
・52週の腎部分寛解(PRR)
Cr上昇有り⇒≦115%の変動
RBD/hpf:ベースラインの≦50%の上昇
赤血球円柱がないこと
■Secondary endpoint
・24週から52週までのCRRの維持率
・52週時点でのUPC:≧0.3から≦1.0への低下
・CRPを達成した時間
・ANA, C3, C4値
・末梢血CD19陽性リンパ球 およびIgG, IgM その他
・副作用発現
7.解析
・腎寛解率:Wilcoxon’s rank sum test
・連続変数エンドポイント:ANCOVA(共分散分析)
・二値変数エンドポイント:Cochran-Mantel-Haenszel chi-square test
8.結果(箇条書きで、大事なところのみ)
■PE CRR:26.4% vs 30.6%で優位な差はなし
PRR:30.6% vs 15.3%でRTX優位だが有意差なし
黒人、ヒスパニックでは白人と比較して効果はよい傾向
■SE 腎機能に関しては有意差なし
血清免疫学的にはRTXで有意に改善
(78週時点のUPC、タンパク尿の改善はRTXで勝る)
9.どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?(箇条書きにて記載。論文中の記載から抜粋、および、自分考えたものを記載)
・RTXの追加併用の効果は限定される
・CD19+B細胞と抗体DS-DNA抗体の関連が示唆されるが、今後の検討が必要
・RTXの効果が期待できる患者群の特徴を探していく必要がある
10.Limitation(箇条書きで)
・より長期の観察評価が必要(UPC比のみ78週で有意に改善している)
・アジア人データがない
11.この論文の弱点(自分で考えたものを記載)
・ステロイド、本邦と比較し、初期投与期間が短い
・再発例と初発例を区別していない
・タンパク尿をUPCで評価 UPCの正確性を考察していない
・RTX群でPSLの量が減らせた原因は?補体抗体価をみながら減量したと推測されるが、その指標自体がプライマリーエンドポイントであるRRとずれているため、解釈が難しい
・補体値と腎予後について他の論文引用し、ディスカッションが進行するが、RTXのB細胞抑制という薬剤の特徴を加味していない議論
・医療費について、cost-benefitの評価がない
12.好ましい点
初めてのRCTである点
多国、他施設で行われている点
CD19陽性細胞含め、タイトな血液検査の評価ができている
担当:髙橋良
しかし、前もっての試験登録が行われていない、サンプルサイズ設