全身性エリテマトーデスに関連した自己免疫性血球減少症に対するリツキシマブ投与の有効性と安全性【Journal Club 20180328】

Efficacy and safety of rituximab for systemic lupus erythematosus-associated immune cytopenias: A multicenter retrospective cohort study of 71 adults.

Serris A AP−HP Department of Internal Medicine, national referral center for adults immune cytopenia, Henri-Mondor University Hospital, Universite Paris-Est Creteil, France

2018 Mar;93(3):424-429

P:71人のSLEの中から後天性に自己免疫性血球減少症をきたした患者
E:RTX投与
C:
O:反応を確認する

<セッティング>
French AIR registry

<研究デザインの型>
多施設共同コホート研究

<Population、およびその定義>
18歳以上のSLEのうち ITP:Plt<50*109/L または/かつ AIHA:Hb<10g/dl、溶血性貧血、直接Coombs陽性 または 赤芽球ろう  過去にRTX投与を行われたれいは除く

<主な要因、および、その定義>
RTX投与開始後、5ヶ月以上観察できた群

<Control、および、その定義>
なし

<主なアウトカム、および、その定義>
CR(ITP):Plt>100*109/L
PR(ITP):Plt>30*109/L
CR(AIHA):Hb正常値
PR(AIHA):Hb>100g/dlかつ20g/dl以上増加
他の免疫抑制剤の使用は可だが変更は不可
ステロイド剤の使用は可だが増量は不可
relapse:CRかPRの定義から逸れた例
safty:National Cancer Institute Common Terminology Criteria(NCICTC) v4.0

<交絡因子、および、その定義>
年齢・性別・Plt値・Hb値・SLEの罹病期間・SLEの障害臓器・免疫抑制剤の種類

<解析方法>
連続変数はmean±SDもしくは中央値
カテゴリー変数は割合
CR・PRは95%CI
Relapseは95%CI:Kaplan-Meier生存曲線
患者背景:Fisher検定、Student t 検定、Wilcoxon検定
relapseまでの期間:log-rank検定

<結果>
RTX投与後3ヶ月時点で61名(86%)に反応があった
反応不良の10名(2名:RTX再投与うち1名は反応あり、3名:脾摘施行、4名:他の免疫抑制剤の追加、1名:データ欠損)
観察期間中に24名(39.3%)に再燃を認めた
7名(9.9%)にgrade1−2のinfusion reactionを認めた
33名(46%)に6g/dl以下の低ガンマグロブリン血症を認めた 重症感染症の発症はなかった
3名(4.2%)に日和見感染症を認めた 1.2/100人年(95%CI:0.39-3.7)
死亡はいなかった

<メカニズム>
in vitroでは脾細胞中に形質細胞の増加を認める

<Limitation>
後ろ向きコホート研究
セレクションバイアス
データ欠損

<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
RTXによる寛解導入は検討される

<自分で考えた交絡因子>
HP感染の有無
過去のPSL大量療法の有無
SLEの活動性

<この論文の弱点>
コントロールがない点
維持療法を行っていない点

<この論文の好ましい点>
母数が多い点

<この論文にて理解できなかった点>
RTX投与方法の決め方

担当:徳永剛広

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