The oral and gut microbiomes are perturbed in rheumatoid arthritis and partly normalized after treatment.
Zhang X et al.
Nat Med. 2015 Aug;21(8):895-905.
【目的】リウマチ患者と健常者での口腔内、腸内細菌叢の違いを検討
【結果】Peking Union Medical College HospitalでACR 2010で診断されたRA患者と対照群として健常者の便、歯垢、唾液でメタゲノムショットガンシークエンス(次世代シークエンサーの方法の一種)を行った。便や口腔内細菌叢の一致を認め、異なる部位でも菌種の個体数や機能が重複している可能性が示唆された。RAでは便と口腔内の細菌叢の多様性低下を認めたが治療により一部回復を認めている。RAでの便や口腔内細菌叢の変化は臨床尺度に相関しており、治療に対する反応の階層化にも使える可能影がある。3か所(便、唾液、歯垢)すべてでリウマチ患者ではLactobacillus salivariusが大きな割合を占め疾患活動性がvery activeな症例で多かったのに対して、Haemophilus spp.はリウマチ患者で減少を認めており血清抗体価と負の相関を認めた。RA患者では細菌叢での機能上、酸化還元回路や鉄、亜鉛、アルギニン、硫黄の輸送や代謝経路が変化していた。
【重要・ユニークなポイント】次世代シークエンサーを用い、網羅的に細菌叢を調べている点。リウマチ患者と健康群を比べるだけでなくリウマチ治療後の細菌叢の変化も調べている。
【今後の論文展開や論文に対する検討課題】RAでの細菌叢変化がRAを生じる原因になるのか検討が必要。
担当:林智樹