Stimulation of the soluble guanylate cyclase (sGC) inhibits fibrosis by blocking non-canonical TGFβ signalling.
Beyer C, Zenzmaier C, Palumbo-Zerr K, Mancuso R, Distler A, Dees C, Zerr P, Huang J, Maier C1, Pachowsky ML, Friebe A, Sandner P, Distler O, Schett G, Berger P, Distler JH.
Ann Rheum Dis. 2015 Jul;74(7):1408-16.
Background:以前の研究で、私たちはsGC伝達とsGCによる抗線維化効果を媒介するtransforming growth factor β(TGFβ)伝達の新規関係性を報告している。
方法:人の線維芽細胞とネズミのsGCをノックアウトした線維芽細胞をsGC刺激薬であるリオシグアト:商品名 アデムパスかcyclic guanosine monophosphate(cGMP) analogue である8-Bromo-cGMPで加療とTGFβの刺激を行った。リオシグアトが生体内の恒常的な活動TGF-β1受容体を過剰発現しているネズミにおける抗線維化効果を研究した。
結果:sGCの刺激は TGF-β依存性の線維芽細胞の活性化とコラーゲンの放出を妨げた。sGCをノックアウトした線維芽細胞の実験からsGCがリオシグアトの抗線維化効果に必要なことが証明された。更に8-Bromo-cGMPがTGFβ依存性のコラーゲン放出を減少させた。Nuclear p-SMAD2、3の量やSMAD reporterや古典的TGFβを対象とした遺伝子の転写が変化していないにも関わらずsGCの刺激はERKのリン酸化を妨げていた。生体内でsGCの刺激はTGFβが誘導する皮膚線維化を妨げるがp-SMAD2,3の量やTGFβを対象とした遺伝子発現を変化させておらず非標準的なTGFβ経路がsGCの抗線維化作用を誘発することが証明された。
結論:cGMP量増加や非標準的なTGFβ伝達経路の妨害、実験的な線維化の妨害を引き起こすsGCの抗線維化様式を明瞭にした。肺高血圧症におけるフェーズ3試験でsGC刺激薬の有効性や耐用性が十分証明されており、全身性強皮症における線維化と血管病変に対する治療における発展につながる可能性がある。
担当:林智樹