リウマチ患者における可溶性VE-cadherinは疾患活動性と相関する【Journal Club 20190828】

Soluble VE-cadherin in rheumatoid arthritis patients correlates with disease activity: evidence for tumor necrosis factor α-induced VE-cadherin cleavage.

Sidibé A1, Mannic T, Arboleas M, Subileau M, Gulino-Debrac D, Bouillet L, Jan M, Vandhuick T, Le Loët X, Vittecoq O, Vilgrain I.

1 INSERM Unité 1036, Joseph Fourier University-Grenoble 1, and CEA Grenoble, Grenoble, France.

2012 Jan;64(1):77-87.

【Objective
RA患者において、TNF-α刺激によるVE-cadherinの発現の変化と疾患活動性に関して調べた。

【Methods and Results】
Figure 1
HUVECをTNF-α(100ng/ml)で刺激するもの、しないものを用意し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→刺激時間が長くなるにつれ、TNF-αで刺激したものの方がVE-cadherinを発現した(A,B)。また、TNF-αの濃度を濃くするほど、VE-cadherinは発現した(C,D)。

Figure 2
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「Genistein(50µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→Genisteinを添加するとVE-cadherinの発現は低下した。
→Genisteinはチロシンキナーゼインヒビターであることから、チロシンキナーゼがVE-cadherinの発現に関与していると考えられた。

Figure 3
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「PP2(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→PP2を添加するとVE-cadherinの発現は低下した。
→PP2はSrc family kinase inhibitorであることから、SrcがVE-cadherinの発現に関与していると考えられた。

Figure 4
HUVECにγ-secretase inhibitor(5µM)を添加し、さらに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「PP2(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」
「Genistein(50µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの
発現をWestern blot法で確認した。VE-cadherinは125kDaと
35kDa(VE-cyto)の2種類を確認した。
→Genisteinを添加で、VE-cytoの発現は低下した。

Figure 5
VE-cadherinとMMPの関係を調べた。
HUVECにAPMAを添加しVE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→APMAの濃度依存性にVE-cadherinは発現した(A)。
Aの結果のVE-cadherinを分析すると濃度依存性に125kDaは低下、VE-cytoは上昇していた(B)。
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「GM6001(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現 をWestern blot法で確認した。
→GM6001を添加するとVE-90の発現が低下した(C)。
Cの結果のVE-cadherinを分析すると125kDaは低下、VE-cytoは上昇していた(D)。

ⅰ)重要なポイントはどこか?
ⅱ)ユニークなポイントはどこか?
⇒血管新生に関与するVE-cadherinが、血管新生が重要な病態であるRAで発現しているところに焦点を当てたこと。

ⅲ)今後の研究展開や論文に対する検討課題
治療前後でVE-cadherinの発現は変わるのか?

ⅳ)自分なりの疑問点
RA-FLSではどうなるか?

担当:西見慎一郎

 

 

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私たちと一緒に学びませんか?

プログラム・募集要項はこちら


昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
アクセスマップ
電話:03-3784-8000(代表)

[初 診]月曜~土曜 8:00~11:00
[再 診]月曜~土曜 8:00~11:00(予約のない方)
[休診日] 日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始