Soluble VE-cadherin in rheumatoid arthritis patients correlates with disease activity: evidence for tumor necrosis factor α-induced VE-cadherin cleavage.
Sidibé A1, Mannic T, Arboleas M, Subileau M, Gulino-Debrac D, Bouillet L, Jan M, Vandhuick T, Le Loët X, Vittecoq O, Vilgrain I.
1 INSERM Unité 1036, Joseph Fourier University-Grenoble 1, and CEA Grenoble, Grenoble, France.
Arthritis Rheum. 2012 Jan;64(1):77-87.
【Objective】
RA患者において、TNF-α刺激によるVE-cadherinの発現の変化と疾患活動性に関して調べた。
【Methods and Results】
Figure 1
HUVECをTNF-α(100ng/ml)で刺激するもの、しないものを用意し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→刺激時間が長くなるにつれ、TNF-αで刺激したものの方がVE-cadherinを発現した(A,B)。また、TNF-αの濃度を濃くするほど、VE-cadherinは発現した(C,D)。
Figure 2
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「Genistein(50µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→Genisteinを添加するとVE-cadherinの発現は低下した。
→Genisteinはチロシンキナーゼインヒビターであることから、チロシンキナーゼがVE-cadherinの発現に関与していると考えられた。
Figure 3
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「PP2(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→PP2を添加するとVE-cadherinの発現は低下した。
→PP2はSrc family kinase inhibitorであることから、SrcがVE-cadherinの発現に関与していると考えられた。
Figure 4
HUVECにγ-secretase inhibitor(5µM)を添加し、さらに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「PP2(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」
「Genistein(50µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの
発現をWestern blot法で確認した。VE-cadherinは125kDaと
35kDa(VE-cyto)の2種類を確認した。
→Genisteinを添加で、VE-cytoの発現は低下した。
Figure 5
VE-cadherinとMMPの関係を調べた。
HUVECにAPMAを添加しVE-cadherinの発現をWestern blot法で確認した。
→APMAの濃度依存性にVE-cadherinは発現した(A)。
Aの結果のVE-cadherinを分析すると濃度依存性に125kDaは低下、VE-cytoは上昇していた(B)。
HUVECに「DMSOのみ」「DMSO+TNF-α(100ng/ml)」「GM6001(10µM)+TNF-α(100ng/ml)」を添加し、VE-cadherinの発現 をWestern blot法で確認した。
→GM6001を添加するとVE-90の発現が低下した(C)。
Cの結果のVE-cadherinを分析すると125kDaは低下、VE-cytoは上昇していた(D)。
ⅰ)重要なポイントはどこか?
ⅱ)ユニークなポイントはどこか?
⇒血管新生に関与するVE-cadherinが、血管新生が重要な病態であるRAで発現しているところに焦点を当てたこと。
ⅲ)今後の研究展開や論文に対する検討課題
治療前後でVE-cadherinの発現は変わるのか?
ⅳ)自分なりの疑問点
RA-FLSではどうなるか?
担当:西見慎一郎