Effect of disease duration and prior disease-modifying antirheumatic drug use on treatment outcomes in patients with rheumatoid arthritis
Daniel Aletaha,1 Jen-fue Maa,2 Su Chen,2 Sung-Hwan Park,3 Dave Nicholls,4 Stefan Florentinus,5 Daniel Furtner,6 Josef S Smolen1
Department of Rheumatology, Medical University of Vienna, Vienna, Austria
Ann Rheum Dis. 2019 Dec;78(12):1609-1615.
P:ADA+MTXの2つの臨床試験にエントリーされたRA患者さん
E:試験開始前に使用されたcsDMARDsが2以上(MTX以外で)
C:試験開始前に使用されたcsDMARDsが0-1(MTX以外で)
O:DAS28 or SDAI and HAQ-DIの改善度合い
<セッティング>
・DE019とARMADAの2つの臨床試験のデータを二次使用
<研究デザインの型:RCT、横断研究、前向きコホートなど>
・RCTを二次利用した観察研究?
<Population、およびその定義>
・DE019とARMADAの2つの臨床試験に登録されたRA患者さん
・除外基準:DE019とARMADAの2つの臨床試験に登録されない患者さん
(MTXが使用できないなど)
(DE019試験。ADA 40mg/q2w+MTX : ADA 20mg/w+MTX : MTX =1:1:1)
(ARMADA試験。ADA 20mg/w+MTX, ADA 40mg/w+MTX, ADA 80mg/w+MTX,MTXの比較)
<主な要因、および、その定義>
・臨床評価:ACR20, 50, 70、DAS28-CRP or SDAI,
・ADLの評価:HAQ-DI
<Control、および、その定義>
・試験開始前に使用されたDMARDs数が0-1
<主なアウトカム、および、その定義>
・24週目のACR20, 50, 70、DAS28-CRP or SDAI, HAQ-DI
・24週目のHAQ-DI<0.5, LDA (DAS28-CRP<3.2, SDAI<11)の割合
・試験開始前に使用されたDMARDの数
<交絡因子、および、その定義>
・(RCTを利用した研究のため?)記載なし。
<解析方法>
・罹病期間を4群に分類(1年以下、1年以上5年未満、5年以上10年未満、10年以上)
・DE019研究では、RAの罹病期間に応じて3つに分け、感度解析を施行。
・罹病期間DMARD使用数とのサブグループ解析には順序スコアを割り当てた。
・二項従属変数にはロジスティック解析を使用し、連続従属変数には線形回帰を使用した。
<結果>
・対象患者数。DE019試験:207人、ARMADA試験:67人(Table 1&2)
・両試験ともに使用したDMARD数が多いほどACR20, 50, 70改善率は低下する(Fig 1)
・両試験ともに罹病期間では傾向はない。(Fig1)
・使用したDMARD数が多いほどDAS28 (CRP)、SDAI, HAQ-DI 改善度合いは少ない。罹病期間別では、DAS28(CRP), SDAIに一定の傾向はないものの、HAQ-DI改善度合いは少ない(Fig 2)
・罹病期間、使用したDMARD数、ACR205070の関連については、罹病期間が短いほど、使用したDMARD数が少ないほど達成率が高い傾向にあった(Fig 3)(DE019試験)
・罹病期間、使用したDMARD数、DAS28(CRP) LDA, SDAI LDA, HAQ-DI<0.5との関連については、罹病期間が短いほど、使用したDMARD数が少ないほど達成率が高い傾向にあった(Fig 4)(DE019試験)
<メカニズム>
・使用したDMARD数が多い症例は、治療抵抗性であった可能性があり、ADAの有効性が低くなった。
・罹病期間が長い症例も同様。
・予後不良因子として、2種類のcsDMARD無効がある。
<Limitation>
・DE019, ARMADA試験という臨床試験にエントリーされたエリート患者さんのみが対象
・ADAしか議論されていない。他のTNF製剤は不明。
・過去使用されたcsDMARD歴が不統一
<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
・過去使用したcsDMARD数が少なく、罹病期間が短いRA患者さんはBIO(ADA)の有効性が高いので、積極的に使用する。
<自分で考えた交絡因子>
・国
・人種
・合併症
<この論文の弱点>
・過去使用されたcsDMARD歴が欧米仕様(HCQ:45%、SASP:26%)(DE019)
・過去使用されたcsDMARD歴が古典的(金:52%, SASP:33%)(ARMADA)
<この論文の好ましい点>
・RCTの二次利用のため、データセットが完璧に揃っている。
・臨床的にあたりまえと思っていることをきちんとデータで証明したこと
・Josef S Smolenが関わっている。
担当:三輪裕介