当科スタッフ、細沼雅弘医師の論文「Inhibition of hepatocyte growth factor/c-Met signaling abrogates joint destruction by suppressing monocyte migration in rheumatoid arthritis.」が、本年4月発表のRheumatology (Oxford)に掲載されました!!
下記は本文の要約です!!
Hepatocyte growth factor(HGF)/ c-MET シグナル阻害は 単球遊走を介した関節リウマチの骨破壊を抑制する
Hepatocyte growth factor(HGF)/c-METシグナルは抗がん剤ターゲットとして注目されている。そこで関節リウマチ(RA)患者の滑膜におけるHGFの機能と、c-MET阻害剤の治療効果を関節炎モデルマウスで検討した。RA患者の血清・関節液・滑膜組織のHGF/c-METは対照と比べ高発現していた。RA由来滑膜線維芽細胞をTNFで刺激するとHGF/c-MET発現が亢進し、c-METシグナルを阻害するとCX3CL1、CXCL16、MIP1a産生が抑制された。さらにRA関節液によるTHP-1の遊走はHGFを除去すると抑制された。c-MET阻害剤savolitinibはSKGマウスの関節破壊を抑制し、破骨細胞数が減少した。以上よりHGFはRA滑膜で炎症により産生され、自身のケモカイン作用と滑膜のケモカイン産生の亢進を介した作用により、炎症部位への単球遊走を活性化し、炎症性骨破壊を促進する。c-METシグナルの阻害はRAの関節破壊の新たな治療戦略になることが期待される。