当科スタッフ、猪狩雄蔵医師の論文「The association between age and adverse events due to biologic disease-modifying antirheumatic drugs in patients with rheumatoid arthritis: A retrospective cohort study」が、本年12月発表のMedicineに掲載されました。
PMID: 33350780 DOI: 10.1097/MD.0000000000023861
下記は本文の要約です。
関節リウマチ患者の年齢と生物学的製剤による有害事象との関連:後ろ向きコホート研究
近年、関節リウマチ(RA)患者の高齢化により、高齢RA患者に生物学的製剤(bDMARDs)を導入する機会は増えている。今回私たちは、RA患者の年齢とbDMARDsによる有害事象との関連を明らかにするために研究を行った。
生物学的製剤を投与されたRA患者416人を最大1年間追跡・調査し、75歳以上と75歳未満の2群に分け、bDMARDsの中止に至る有害事象の有無、その詳細について調査した。
中止に至る有害事象を発症した割合は、75歳以上群で10.5%、75歳未満群で10.9%であり、多変量解析においても統計学的な有意差は認めなかった。さらに有害事象を感染症に限定した場合においても、75歳以上群と75歳未満群の有害事象の発症割合に統計学的な有意差は認めなかった。
RA患者の治療選択において、高齢という要素のみでbDMARDs使用を躊躇すべきではないことが示唆される。