当科特別研究生、斎藤麻由医師の論文「Prevalence and treatment conditions for hypertension and dyslipidaemia complicated with systemic lupus erythematosus: a multi-centre cross-sectional study.」が、本年4月発表のLupusに掲載されました。
下記は本文の要旨です。
SLEの多施設レジストリーであるLUNA (Lupus Registry of Nationwide institutions) レジストリーを用いた高血圧、脂質異常症の診療実態を記述した横断研究です。SLEは動脈硬化が進みやすく動脈硬化性心血管病による死亡率及び罹患率が高いとされています。古典的なリスク因子である高血圧、脂質異常症、糖尿病など以外に、SLE疾患活動性がリスクと言われています。SLE疾患活動性には多くの注意がはらわれるものの、古典的な因子、特に高血圧、脂質異常症には見過ごされる傾向にあります。2016年2月から2018年7月までの597人の患者のうち、高血圧は43.9%、脂質異常症は54.7%と約半数が罹患していました。そのうち高血圧は24.7%、脂質異常症は48.1%がコントロールが不十分であることが分かりました。原疾患のみならず合併症に対する治療にも十分留意する必要があると考えられました。