Sjogren Syndrome and Pregnancy: A Literature Review
シェーグレン症候群と妊娠:包括的レビュー
著者 Suruchi Gupta, Nikhil Gupta
掲載雑誌/号/ページ Perm J 2017;21:16-047 IF:1.153
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<サマリー>原発性シェーグレン症候群は抗SS-A抗体や抗SS-B抗体の保有率が高い疾患である。妊娠転帰に関するデータがほとんどなく、文献のレビューを行った。
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<セッティング>シェーグレン症候群の女性の妊娠転帰に関する文献レビューを行った(期間の記載なし)。
<研究デザインの型:RCT、横断研究、前向きコホートなど>
レビュー
<結果>
<結果の解釈・メカニズム>
本邦におけるデータ
令和2年 令和3年
妊娠届出数 871598 507075
死産数 1485(0.17%) 1386(0.27%) 厚生労働省HP参照
流産の総説 Siobhan Quenby et al. Lancet 2021 May 1;139(10285):1658-67
2020年5月までの範囲で9つの研究をまとめたもの
流産リスクとして下記が挙げられた
年齢:20-29歳で12%、45歳以上で65%、男性の年齢が40歳以上でも上昇する
BMI:18.5-24.9kg/m2が最も低い
人種:黒人種は高い
流産歴:既往がない方で11%、一度の流産を経る毎に約10%ずつ増大し、3回以上の方で42%
社会歴:喫煙と飲酒、大気汚染や農薬と同様にリスクとなる 継続歴な夜勤もリスクと考えられる
4638974件の妊娠数のうち流産リスクは15.3%(95%CI 12.5-18.7)に認められた
シェーグレン症候群を有することが妊娠転帰に影響を及ぼしている可能性がある
<Limitation>
患者総数が少ないため結果に影響が出ている可能性がある
周産期の間に免疫抑制療法を行ったかの差別化はされていない
<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
周産期管理の方法や、合併症としての特に胎児心ブロックに対する有効な治療方法は確立しておらず今回のレビュー元になった文献の発表時期と、現在の治療方法には大差がない、そのため一般的な傾向として捉えることはできる。
<この論文の好ましい点>
原発性シェーグレン症候群としてはほぼ唯一のレビューである
<この論文にて理解できなかった点>
特になし剛広
(担当:徳永 剛広)