リウマチ膠原病分野における診断方法や治療方針などには“パラダイムシフト”と呼ばれるような劇的な変化が起こってきております。いままで慢性難治性疾患で有効な治療法が限られていた分野でしたが、完全寛解や“drug-free”の治癒までも目指せるほど進歩してきています。
このような進歩にもかかわらずリウマチ膠原病を専門とする医師は比較的少ないのが現状であり、専門性が高いリウマチ膠原病専門医の役割はますます重要となってきておりまた多くの需要があります。
またリウマチ膠原病疾患は全身性に症状が出現しやすくリウマチ膠原病の専門医のほかに内科専門医として全身をトータルにみる診療科として訓練を受けており専門に関わらず幅広い医学の知識を積極的に吸収し総合的な医療の修得を目指したい研修医の皆さんには最適な診療科と思います。
リウマチ膠原病疾患の大部分はその根本に存在する病因がいまだはっきりしていません。やはり劇的に進歩、変革が進んでいる炎症免疫学を基礎として、この分野の基礎および臨床研究にはやるべきことがまだまだたくさんあります。現在進行している大きな柱として「関節リウマチや全身性エリテマトーデス、炎症性筋疾患などに関する基礎および臨床研究」、「医局員や研修医、薬剤師、学生を交えた臨床教育」および「膠原病疾患における母性診療」に力を入れています。私たちの科は若い医局員も多く熱気に満ちた医局です。この分野に興味のあるみなさんの参加合流をぜひ待っています。
リウマチ・膠原病診療は、一人の患者さんを頭から足の先まで見ることから始まります。診療で必要なことは、リウマチ・膠原病疾患独自の知識、一般内科(ジェネラリスト)としての能力、慢性疾患であり患者さんに親身につきあえる心であると考えます。
また、リウマチ・膠原病だけでなく疾患が明らかになっていない不明熱等の専門科がはっきりとしていない疾患もしばしば紹介を受けます。対処するためには幅広い知識も必要であり、各種院内院外勉強会、内科ローテーション等にて勉強できるような教育方針を掲げております。また、内科全般勉強できますので開業を考えている先生にも是非お薦めです。
皆さん、是非とも「Doctor's Doctor」の一員になりませんか。
昭和医科大学医学部内科学講座リウマチ・膠原病内科学部門 教授 矢嶋 宣幸