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「A prediction rule for the development of arthritis in seropositive arthralgia patients」
Lotte Arwen van de Stadt, Birgit I Witte, Wouter H Bos, Dirkjan van Schaardenburg
Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2012-202127
<背景>RAに対し、2010ACR/EULARの新たな診断基準が提唱された。しかし、seropositiveかつ関節痛を有する患者に対する関節炎への進展予測に関するruleはいまだ存在しない。
この研究ではそのようなseropositiveな関節痛患者がRAへ移行するリスク因子を検討し、
Predictive Ruleを作成した。
<患者>
ACPA or IgM-RF陽性の関節痛を有する患者374名
<除外>
2度目の検査でACPA、RFが陰性だった患者、70歳以上、DMARDsor ステロイドを3か月以内に使用した患者、(Figure1)
<評価項目>
2人のリウマチ専門医による関節所見で腫脹ないものを関節痛、腫脹があるものを関節炎としとした。
<結果>
関節炎への進展リスクとして
①アルコール摂取しないこと
②NSAIDs使用
③発症12か月以内
④間欠的な症状の出現
⑤上下肢ともに痛みがある場合
⑥VAS pain>50㎜
⑦朝のこわばり>1時間
⑧圧痛関節数
⑨患者の過去の関節腫脹の訴え
⑩ACPA or IgM-RF陽性
受診時において上記10項目が関節炎進展のリスクとして有意だった。
これらを多変量解析し、各項目のポイントを決定しFigure3に示すruleを作成
High riskでは関節炎への進展は1年後で43%、4年後には81%とlow riskに対し有意に高かった。
<Limitation>
①関節炎の評価がMRIや超音波によらず、初期の関節炎の有無の評価が曖昧となっている。
②全体の27%をしめるintermediate riskの患者の進展については予測が困難
今後、遺伝子の検討やRNAプロファイリングなどが役に立つかもしれない
担当:高橋 良
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「Anti-mullerian hormone and ovarian reserve in systemic lupus erythematosus」
CC Mok, PT Chan, CH To
Arthritis & Rheumatism 2012 Oct8 doi: 10. 1002/art 37719 (Epub ahead of print)
<目的>
SLEにおけるCYC暴露歴とAMHとの関連を検討
<方法対象>
18-52歳で12か月以内に生理のあるSLE女性216人(年歴基準、生理基準で除外された上で)。AMHはELISAで測定。
<結果>
年齢35.1歳、罹病期間7.6年。CYC既使用ではAHMが低い(Table 2)。30歳以下ではCYCが5.9gでAMHレベルが有意に低下(感度75%、特異度80%)。30歳以下ではCYC量に比例してAMHレベル低下(Figure 1)
<議論>
42人の経口CYCを施行したGPAの患者でAMHレベル低下。今回のStudyはnが多い。AMHは免疫抑制剤使用中の卵巣機能を評価する有用なマーカーである。しかし、結果によってはGnRHアナログを使用することも検討すべきである。横断研究であり、前向き研究が望まれる。今後妊娠予測マーカーになればと思われる。
30歳以下でCYC未使用群でAMHが低値であるのはなぜであろう。臨床でも計測し今後の知見の集積を待ちたい
担当:三輪裕介
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