『The Effect of Vitamin D Supplementation on Inflammatory and Hemostatic Markers and Disease Activity in Patients with Systemic Lupus Erythematosus: A Randomized Placebo-controlled Trial』
Abou-Raya A, et al
From the Internal Medicine Department, Faculty of Medicine, University of Alexandria
J Rheumatol. 2012 Dec 1. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23204220
<目的>
SLEは慢性の全身性の自己免疫疾患である。ビタミンDには免疫調節作用効果があると言われているため、SLEといった自己免疫性疾患の治療の助けとなっている。私達はSLE患者のビタミンDの状態を把握するとともに、ビタミンD内服前後での炎症および凝固のマーカー、および疾患活動性の変化を確認した。
<方法>
・267名のSLE患者を2:1の割合で、12カ月間のビタミンD内服(1日2000IU/日)群とプラセボ群にランダム的に振り分けた。
・12が月後に炎症性サイトカインと凝固のマーカー(IL-1/16/18, TNF-α, ESR, 抗ds–DNA抗体, 抗Sm抗体, C4, フィブリノーゲン, vWF)および疾患活動性の変化を測定した。
・疾患活動性にはSLEDAIを使用した。
・25(OH)Dの濃度は30~100ng/mlを正常とし、10~30を不足、10未満を欠乏と定義した
<結果>
・ベースの25(OH)Dの濃度はSLE患者で19.8ng/mlに対しコントロール群では28.7ng/mlであった
・SLE患者ではベースの25(OH)Dが示適濃度以下の人が全体で69%、特に欠乏の人は33%であった
・25(OH)Dの低い人ほど活動性が高かった
・12カ月後、内服群では炎症性マーカーや凝固のマーカー、疾患活動性において大きく改善を認めた
<結論>
・SLE患者ではビタミンDの濃度が上がることで炎症や凝固系が改善し臨床的な改善へとつながるためビタミンDの内服が薦められる
<limitation>
ビタミンDの適切な内服量についてのデーターがない。
担当:磯島咲子
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