Journal Club【20130306】ANCA偽陽性の感染性心内膜炎

「SUBACUTE BACTERIAL ENDOCARDITIS WITH POSITIVE  CYTOPLASMIC ANTINEUTROPHIL CYTOPLASMIC ANTIBODIES

AND ANTI–PROTEINASE 3 ANTIBODIES」

Choi HK et al.

Arthritis & Rheumatism 2000;43:226-231,

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10643719

 

【主旨】

・cANCA、PR3-ANCAともに偽陽性を示し、臨床症状からもAAVが疑われた亜急性感染性心内膜炎(SBE)の3例の報告、およびANCA偽陽性SBEのこれまでの報告例のまとめ

 

【結果/考察】

  • ・様々な感染症で関節的蛍光抗体法によるC-ANCA,P-ANCAの陽性が報告されている中で、ELISA法によるPR3-ANCA, MPO-ANCAの検査を合わせて行っているものは多くない。(Table1)

 

  • ・これまでSBEのANCA陽性率の検討をおこなった報告はない
  • ・3例中2例(case1,2)においては直接ELISA法では高力価のPR3-ANCAが検出されたが、サンドイッチ法ELISA法ではごく低力価で検出されるにとどまった。
  • ・サンドイッチ法ELISAは特異性の高い検査でもあり、今後、この両ELISA法の不一致がANCA偽陽性の証明手法となる可能性もある
  • ・一方で蛍光抗体法、ELISA法いずれも陽性となるSBEも7例ほど(1966-1999)報告がある。(Table2)
  • ・SBEのANCA陽性はいずれもPR3-ANCAであり、MPO-ANCAの報告はない。

(その他の感染症においては溶連菌感染後糸球体腎炎でMPO-ANCAの報告がある)

  • いずれも全身症状を有し、全身の紫斑や糸球体腎炎などAAV様の臨床像が見られておりAAVの診断においてはSBEの鑑別ステップを着実に行うことが必要である

 

**********************************************

昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私たちと一緒に学びませんか?

プログラム・募集要項はこちら


昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
アクセスマップ
電話:03-3784-8000(代表)

[初 診]月曜~土曜 8:00~11:00
[再 診]月曜~土曜 8:00~11:00(予約のない方)
[休診日] 日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始