「SUBACUTE BACTERIAL ENDOCARDITIS WITH POSITIVE CYTOPLASMIC ANTINEUTROPHIL CYTOPLASMIC ANTIBODIES
AND ANTI–PROTEINASE 3 ANTIBODIES」
Choi HK et al.
Arthritis & Rheumatism 2000;43:226-231,
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10643719
【主旨】
・cANCA、PR3-ANCAともに偽陽性を示し、臨床症状からもAAVが疑われた亜急性感染性心内膜炎(SBE)の3例の報告、およびANCA偽陽性SBEのこれまでの報告例のまとめ
【結果/考察】
- ・様々な感染症で関節的蛍光抗体法によるC-ANCA,P-ANCAの陽性が報告されている中で、ELISA法によるPR3-ANCA, MPO-ANCAの検査を合わせて行っているものは多くない。(Table1)
- ・これまでSBEのANCA陽性率の検討をおこなった報告はない
- ・3例中2例(case1,2)においては直接ELISA法では高力価のPR3-ANCAが検出されたが、サンドイッチ法ELISA法ではごく低力価で検出されるにとどまった。
- ・サンドイッチ法ELISAは特異性の高い検査でもあり、今後、この両ELISA法の不一致がANCA偽陽性の証明手法となる可能性もある
- ・一方で蛍光抗体法、ELISA法いずれも陽性となるSBEも7例ほど(1966-1999)報告がある。(Table2)
- ・SBEのANCA陽性はいずれもPR3-ANCAであり、MPO-ANCAの報告はない。
(その他の感染症においては溶連菌感染後糸球体腎炎でMPO-ANCAの報告がある)
- いずれも全身症状を有し、全身の紫斑や糸球体腎炎などAAV様の臨床像が見られておりAAVの診断においてはSBEの鑑別ステップを着実に行うことが必要である
**********************************************
昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。