「Effects of switching between anti-TNF therapies on HAQ response in patients who do not respond to their first anti-TNF drug」
K. L. Hyrich, M. et al
Rheumatology 2008;47:1000–1005
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18420660
<目的>
・無効なためにTNF製剤をスイッチしたRAの報告はある。
・しかし、長期間のoutcomeでのスイッチの有効性は明らかではない。
・本研究では、1剤目のTNF製剤が無効であった症例をスイッチした後のHAQを1年間追跡した。
<方法>
・患者はthe large British Society for Rheumatology Biologics Register (BSRBR)から選択された。
・英国のガイドラインでは抗TNF製剤はDAS28>5.1で、かつMTXを含む少なくとも2剤のDMARDsが無効でないと使用しない。
・ETNは50㎎か25㎎/週1回、ADAは40㎎/2週間に1回、IFXは3㎎/㎏。DASやHAQを使用した。
・抗TNF製剤が無効であるとする定義。①臨床家の意見、②28関節での疾患活動性スコアやHAQが12か月後でも改善しない場合。
・患者は3群に分けた。①無効であるTNFを継続するStayers、②TNFを中止するのみのStoppers、③12か月以内に2剤目のTNFに変更するSwitchers。④③の中でも90日以内で2剤目のTNFに変更した群をearly switchersに分けた。
<結果>
・2006年7月現在、10993人のRA患者がBSRBRに登録され、4458人(41%)はETN、3956人(36%)はIFX、2579人(23%)はADAを1剤目のTNFとして使用した。
・9026人(82%)は少なくとも6か月間追跡でき、5885人(53%)は18か月、5002人(46%)は2年間追跡した。
・最初の12か月で424人が副作用中止。
・無効中止が978人、1925人はEULARの無効群に該当した。その中で1725人がHAQを測定され、12か月追跡したのが1222人、HAQを測定したのが1033人。
・479人はTNF製剤を中止し、331人は2剤目のTNFに変更。148人は中止のみ。
・EULARでnon-responseの554人のうち389人がそのまま継続使用とした。
・TNF製剤の使用割合はTable 1。Stoppers, Stayers, Switchers, early switchersの背景はTable 2. Stopperを対象とする調整HAQ改善度合いの最もよいのはswitchersである(-0.15)。とくにearly switchersは(-0.18)とよい。
<議論>
・limitationとしては、疾患活動性の評価をDAS28でしか評価していない、無効の定義が曖昧、2剤目のTNF製剤を選択する際にどのTNFを使用するかは不明、HAQを全例とっていない(HAQを取っている症例に限定した解析)、12か月と期間限定であること、が挙げられた。
<結論>
・2剤目のTNFに変更した群のHAQは成績がよい。
担当:三輪裕介
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