「Randomized Trial of Plasma Exchange or High-Dosage Methylprednisolone as Adjunctive Therapy for Severe Renal Vasculitis」
David R.W. Jayne. et al
Department of Medicine, Addenbrooke’s, Hospital, Cambridge, United Kingdom
J Am Soc Nephrol 2007;18: 2180–2188
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17582159
Cr5.8mg/dl以上のANCA関連血管炎で血漿交換は有効? MEPEX study
<対象>
・1995-2001年に集積されたGPAとMPAのANCA関連血管炎137例が対象(EGPAは対象外)
・除外基準は、2week以上の透析施行例、抗GBM抗体陽性例、1年間以上のCr2.3mg/dlを超えていた例、人工呼吸を24時間以上要した肺胞出血例などであった
<方法>
・上記の血管炎PSL+cyclophosphamide内服を両群ともに使用。
・血漿交換群(PE群)は、60ml/kgの7回の血漿交換(n=70)
・コントロール群は、mPSL pulse群(15mg/kgを3日間) (n=67)
・1st endpointは3M後のCrが5.8mg/dl以下であり人工透析に至っていない割合
・2ndendpointは12ヶ月後の生命予後および腎予後、Crおよび副作用とした。
<結果>
・3M後に人工透析を必要としなかったのはmPSL pulse群で49%(33/67例)、PE群で69%(48/70例)<p<0.02>
・12M後に人工透析を必要としなかったのは、mPSL pulse群で43%、PE群で59%
・12M後の生命予後は、mPSL pulse群で76%、PE群で73%
・12M後はCrは、mPSL pulse群で2.25mg/dl、PE群で2.25mg/dl
・副作用出現率は、mPSL pulse群で48%、PE群で50%であった。PE群で血小板減少、血栓症が多かった。
<Discussion>
・先行するstudyは、small sizeであることなどからPEの評価は定まっていない
・当studyでは12Mでの死亡率は25.5%と通常の血管炎のstudyより高頻度である。当初の3M間に多く発症する
・PEがAAV治療での機序としては、好中球活性を高め、サイトカイン分泌、血管内皮細胞と好中球との反応などに影響すると考えられているANCAを除去すること、サイトカインや補体などの炎症に関連する物質を除去することなどが考えられた。
担当 矢嶋宣幸
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