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「Rituximab versus Cyclophosphamide for ANCA-Associated Vasculitis」
John H. Stone. et al
From Massachusetts General Hospital( J.H.S.) and Boston University Medical Center, RAVE-ITN Research Group
N Engl J Med 2010;363:221
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20647199
リツキサンによるANCA関連血管炎の寛解導入はシクロフォスファミドに劣る?
<対象>
・9つの施設からCr 4mg/dl以下、ANCA陽性、BVAS3以上の初発および再燃したMPA、GPA
<方法>
・rituximab(RTX)は週1回375mg/m2を4回(n=99)、cyclophosphamide(CY)は2mg/kg内服(n=98)とした。
・両群とも寛解が得られた3-6M後にAZP 2mg/kgへ変更。
・PSLはmPSLpulseを1−3回施行し、1mg/kgより開始。24週で寛解であれば中止とした。
・1stend pointは6M後のBVAS 0およびPSL off
・2ndend pointは再燃頻度、6M後のBVAS 0およびPSL <10mg、副作用、総計PSL量など。
<結果>
・6M後にBVAS 0およびPSL offであったのは、RTX群 63/99例(64%)、CY群 52/98例(53%)であった(p=0.09)。再発例のみの抽出では、RTX群 34/51例(67%)、CY群 21/50例(42%)とRTX群で有意であった(p=0.01)。
・再燃の頻度は、重症の再燃はRTX群 6/99例、CY群 10/98例であり、軽度の再燃はRTX群 11/99例、CY群 14/98例と差がなかった。
・6M後にBVAS 0およびPSL<10であったのは、RTX群 70/99例(71%)、CY群 61/98例(62%)と差を認めなかった。
・副作用の出現率は、RTX群 31/99例、CY群 33/98例と差を認めなかった。
<Discussion>
・limitationとしては、重症でANCA陽性例のみの抽出であり軽症例やANCA陰性例への効果は不明、人工呼吸器が必要な肺胞出血やCr4以上の腎障害例についての効果は不明。
・RTXでは末梢血のB細胞は9-12M程度で改善してくるため、6Mといった短期間ではなくさらなる長期の観察が必要である
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