「The predictive value of anti-SS-A antibodies titration in pregnant women with fetal congenital heart block.」
Mod Rheumatol. 2013 Jul;23(4):653-8
Anami A, Fukushima K, Takasaki Y, Sumida T, Waguri M, Wake N, Murashima
A.Department of Obstetrics and Gynecology, Kyushu University Hospital, , Japan.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22760476
抗SS-A抗体に関連した胎児心ブロックの発症を予測する抗体価は?
【目的」
胎児の完全房室ブロックは不可逆性であり、死亡率と関係する。
母親の血清中に存在する抗SS-A抗体が原因とされてはいるが、発生を予測する抗体価や抗体がどのように関与しているかに関しては意見がわれている。
今回の研究は、胎児心ブロック(CHB)の発症を予測しうる抗SS-A抗体価を決定することを目的とした。
【方法】
二重免疫拡散法(DID法)によって抗SS-A抗体が陽性となった189症例を後ろむきに調査した。
このうち17症例でCHBを発症している。CHBの発症と抗SS-A抗体価の関連があるかを検討した。
【結果】
ROC曲線(AUC0.72)により、抗SS-A抗体が32倍以上と検出され、多変量解析によって抗SS-A抗体価が32倍以上である場合、児のCHB発症のリスク因子であるとされた。(オッズ比27.77,95%CI1.91-21.02 P<0.05)
抗SS-A抗体が32倍以上の107名のうち65名(60.7%)の人が経口ステロイドを使用しており、内4名(6.2%)がCHBを発症した。
この頻度はステロイドを使用していない人と比較して有意に低かった。(P<0.01)
【結語】
DID法で32倍以上の抗SS-A抗体価は独立したCHBのリスク因子であり、プレドニンやベタメサゾンを出生前に投与することはCHBのリスクを減らす。
担当:磯島 咲子
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