Rituximab for the treatment of eosinophilic granulomatosis with polyangiitis (Churg–Strauss)
Mohammad AJ, et al. Ann Rheum Dis 2014;0:1–6. doi:10.1136/annrheumdis-2014-206095
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25467294
〔背景と目的〕
・これまでの通常のEGPAの治療はステロイド±免疫抑制剤であった。
しかし、効果が十分ではない場合や毒性、再燃率の高さが問題視されていた。
リツキシマブはGPAやMPAに使用可能であり、EGPAでの有効性を検証する
〔方法〕
・デザイン:後方視研究
・対象患者:リツキシマブ使用したEGPA患者41人(女性:21人、男性:20人)
・EGPAの診断:1990年ACR基準
・対象施設:血管炎を扱う4施設(USA, French, Germany, UK)
・実施時期:2003年から2013年
・実施期間:12カ月間(3, 6, 9カ月間でも評価)
・測定項目:BVAS
・有効性評価:寛解はBVAS=0、部分寛解はBVAS≧50%の改善
・再燃の定義:EGPAの症状の出現、免疫抑制剤の追加やステロイド増量、BVAS悪化。
・プロトコール:初期治療375mg/m2/w for 4wks (n=10), 1000mg*2 (n=30), 800mg*2(n=1)
継続治療375mg/m2/w for 4wks (n=3), 1000mg*2 (n=2), 1000mg*1 (n=16), 600mg*1 (n=1)
・pre medication: hydrocortisone:100mg + chlopheniramine:10mg or diphenhydramine:50mg + acetaminophen:1g(RTX使用時に全例全回使用)
・調査項目:Disease Extent Index (DEI), PR3-ANCA, MPO-ANCA, CD19+ B-cell, BVAS
・免疫抑制剤:使用歴は36/41(88%)、開始時併用はMMF:7, AZA:3, CYC:3, MTX:2, IVIg:1
12カ月後使用は、AZA:5, MTX:5
・解析方法:Fisher’s exact test, χ2, Student-t, Mann-Whitney U
・解析ソフト:IBM SPSS V.22.0
・倫理規定、IC:個々の施設の規定に従った
〔結果〕
・治療抵抗性:15人、再燃:21人、新患:5人(IVCYができなかった人)
・1コースのみの投与:19人、繰り返し投与:22人
・BVAS:11→2(6カ月)→1(12カ月)(p<0.001)
・6カ月の時点での評価。寛解:34%、部分寛解:49%(合計83%が寛解)
・12カ月の時点での評価。寛解:49%、部分寛解:39%
・ステロイド量:15mg→8mg (6カ月後)→8mg(12カ月後)。(p<0.001)。全員が減量できた。
・ANCA(+)例は、高率(12/15:80%)に12カ月で寛解に至った。Cf. ANCA (-):8/21(38%)
・副作用は合計31人。うち感染症:15人(重症:6人)
〔議論〕
・4施設、41人のEGPAに対し、リツキシマブを使用して、良好な寛解率を達成した。
・ステロイドも減量できた。
・フランス血管炎研究会では、52/66で寛解
・ANCAの値と有効性を議論した報告はない。
〔限界〕
・後方視研究のため、データの欠落も多い。
・多施設のため、リツキサン使用のプロトコールが違う、免疫抑制剤の使用について統一性がない
・選択バイアスがある
・国が異なる
〔結論〕
・EGPAに対するリツキシマブ治療は寛解率もよく、ステロイドも減量できた。リツキシマブはEGPAに対する治療になる可能性も示唆される。
担当:三輪 裕介
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