Multitarget Therapy for Induction Treatment of Lupus Nephritis
Zhihong Liu, MD; Haitao et al. Ann Intern Med. 2015;162:18-26. doi:10.7326/M14-1030
http://annals.org/article.aspx?articleID=1930859
IVCYと比べ、TAC&MMFはループス腎炎にどれ程有効か?
【背景と目的】
・ループス腎炎の寛解導入目的のために、TAC+MMF+steroid vs IVCY+steriodの比較試験を行う。
【方法】
・デザイン: ランダム化(1:1)、オープンラベル、多施設共同研究
・実施期間: 24週間
・対象施設: 中国の26の腎センター
・実施時期: 2009年4月から2011年6月
・対象患者: 18歳から65歳までの生検にて証明されたLN(Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅲ+Ⅴ、Ⅳ+Ⅴ)
蛋白尿≧1.5g/d、Cr≦3.0㎎/dL
・除外基準: 登録12週以内のMMF, CY, TAC, high dose mPSL, PE, IVIg
肝障害、耐糖能異常、腎病理でchronicity index 3以上
・介入 : TAC 4mg/d+MMF:1g/d
IVCY : 0.75 (0.5-1.0) g/m2, 4週毎6回
mPSL(0.5g)*3d+PSL:0.6mg/kg*4W+20mgまで2w毎に5㎎減量+10㎎まで2w毎に
2.5㎎ずつ減量
・測定項目: primary endpoint 24W完全寛解
Secondary endpoint 完全+部分寛解、有害事象
・寛解基準: 完全寛解 蛋白尿≦0.4g/d、沈渣異常なし、alb≧3.5mg/dl, Cr正常化
部分寛解 蛋白尿50%以上減少、蛋白尿<3.5g/d, alb≧3.0mg/dl
Crの正常化もしくは、25%以内の上昇
【結果】
・24W後完全寛解 Multi : 45.9%
IVCY : 25.6% p<0.001
・24W後完全+部分寛解 Multi : 83.5%
IVCY : 63.0% p<0.001
・寛解に達するまでの時間の違い -4.1W
・有害事象 Multi : 50.3%
IVCY : 52.5% 差がない
・アドヒアランス率 Multi : 95%
IVCY : 92%
・腎組織型別寛解率 全般では有意差あり。個々はⅣ、Ⅴ型でマルチが良い傾向
・全般寛解の達成率 Multitarget>IVCY p<0.001
【議論】
・中国人(アジア人)でのデータである
・大規模である
・Multitarget治療はB cell, T cell両方ともおさえてよい治療
・Multitarget治療群は有害事象とドロップアウトが少ない
【限界】
・24週間しか見ていない。
【結論】
・LNの寛解導入において、Multitarget治療はIVCYよりも有効であった。
担当:三輪 裕介
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