Journal Club【20151014】PMR診断における全身MRIの有用性

Ann Rheum Dis 2015;0:1–5. doi:10.1136/annrheumdis-2015-207395

Whole-body MRI of patients with polymyalgia rheumatica identifies a distinct subset with complete patient-reported response to glucocorticoidsMackie SL, et al.

http://ard.bmj.com/content/early/2015/09/16/annrheumdis-2015-207395.full 

背景と目的

PMR診断における全身MRIの有用性を探る。

方法・デザイン

・症例集積研究

・リウマチ医に診断された未治療の22人のPMR、16人のRAに対して全身多関節造影MRI(脊椎、肩、股関節、手、膝、足指) を撮影・評価した

・読影は2人のexpertsが行った(Grade 0-3)

・対象施設        :Leeds Institute for Rheumatic and Musculoskeletal Medicine, Leeds, UK

・実施期間        :2年間

・統計解析        :SPSS V.21(IBM)

・倫理規定     :Leeds West Research Ethics Committee

 

結果

PMRの全患者はBird criteriaを満たしていた。

PMRの全患者は臨床的にステロイド治療に反応した。

関節嚢外病変がある症例 はPMRが14/22例、RAが1/16例であり、PMRで有意に多かった。

関節囊外病変のあるPMRは、関節囊外病変のないPMRと比べて

男性に多く(p=0.02)、ステロイドが有効であった。((p=0.01)

治療後の倦怠感の改善(p=0.03)、機能障害の改善(HAQ)(p=0.003)、CRP(p=0.03)の改善、IL-6(p=0.04)の改善

において有意に差を認めた。

関節嚢外病変のないPMR 7例の内、4例が1年以内にステロイドを中止できたのに対し、、

関節嚢外病変のあるPMR14例の内、1例しかステロイドを中止できなかった(p=0.03)。

関節嚢外病変の有無は、IL-6と相関しており、

IL-6≧16.8pg/mlをカットオフとしたところ、感度86%、特異度86%であった。

 

結論。

関節嚢外病変はPMRで多く、その有無においてIL-6が感度・特異度、共に高かった。

関節MRIはPMRの疑診例に有効かもしれない。

 

担当: 三輪 祐介

  • ****************************************・昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。・昭和大学リウマチ膠原病内科では、若手医局員の教育に注力しております。詳細はこちらをご覧下さい。・昭和大学リウマチ膠原病内科では、研究するための時間を確保するprotect time制度を開始いたしました。こちらをご覧下さい。 

    ・昭和大学リウマチ膠原病内科では、他医療機関での研修を年に1週間行っております。こちらをご参照ください。

     

    ・昭和大学リウマチ膠原病内科では、広い視野を持てる医師を育成したいと考えております。医療コミュニケーション教育理論の勉強会を行っております。

     

    ・昭和大学リウマチ膠原病内科では、手稲渓仁会病院の岸田先生による感染症専門医による感染症コンサルテーションを年に3−4回行っております。詳細はこちらをご参照ください。

     

    ・昭和大学リウマチ膠原病内科では、ケースベースの膠原病勉強会を行っております。こちらをご覧下さい。

     

  •  
  •  
  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私たちと一緒に学びませんか?

プログラム・募集要項はこちら


昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
アクセスマップ
電話:03-3784-8000(代表)

[初 診]月曜~土曜 8:00~11:00
[再 診]月曜~土曜 8:00~11:00(予約のない方)
[休診日] 日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始