Journal Club【20151222】Ⅱ、Ⅲ度房室ブロックを合併した胎児に対してステロイドは効くのか。

Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2015-208311

Assessment of fluorinated steroids to avert progression and mortality in anti-SSA/Ro-associated

cardiac injury limited to the fetal conduction system

Peter M Izmirly et al.

http://ard.bmj.com/content/early/2015/12/01/annrheumdis-2015-208311.abstract

 

Ⅱ、Ⅲ度房室ブロックを合併した胎児に対してステロイドは効くのか。

 

Objectives:Ⅱ、Ⅲ度房室ブロックを合併した胎児に対して、母体がフッ化ステロイドを服薬すると、新たな心疾患の発症を防ぐことができるかを検討した。

Methods:retrospective study
抗SS-A抗体陽性を母体にもつ、Ⅱ、Ⅲ度房室ブロックを合併した胎児が、心ブロック発見1週間以内にフッ化ステイロドを投与された群(N=71)と、投与されなかった群(N=85)を比較した。
結果評価は、新たな心疾患の合併の有無(心内膜繊維弾性症、拡張型心筋症、胎児水腫)、死亡率、ペースメーカー挿入率を評価した。

Results:
・フッ化ステロイドは新たな心疾患の発症を防ぐことはできない。
・死亡率、ペースメーカー挿入率に有意差なし。

Conclusion:
フッ化ステロイドがすでにⅡ、Ⅲ度房室ブロックを発症した胎児の心疾患の発症を防ぐことはできなかった。

 

議論・限界
使用しているステロイド量が少ない可能性がある。
後ろ向き研究である。
すでに高度房室ブロックを発症した胎児に対しての効果を検討しており、予防に対する効果ではない。

 

担当:猪狩 雄蔵

****************************************

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、毎週水曜日にJournal Clubを通じ新しい知見を得る機会を設けています。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、若手医局員の教育に注力しております。詳細はこちらをご覧下さい。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、研究するための時間を確保するprotect time制度を開始いたしました。こちらをご覧下さい。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、他医療機関での研修を年に1週間行っております。こちらをご参照ください。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、広い視野を持てる医師を育成したいと考えております。医療コミュニケーション教育理論の勉強会を行っております。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、手稲渓仁会病院の岸田先生による感染症専門医による感染症コンサルテーションを年に3−4回行っております。詳細はこちらをご参照ください。

・昭和大学リウマチ膠原病内科では、ケースベースの膠原病勉強会を行っております。こちらをご覧下さい。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

私たちと一緒に学びませんか?

プログラム・募集要項はこちら


昭和大学病院
〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
アクセスマップ
電話:03-3784-8000(代表)

[初 診]月曜~土曜 8:00~11:00
[再 診]月曜~土曜 8:00~11:00(予約のない方)
[休診日] 日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始