Journal Club【2016120】デノスマブはRAの骨びらんを抑制する?

Ann Rheum Dis 2015;0:1–8. doi:10.1136/annrheumdis-2015-208052

Effect of denosumab on Japanese patients with rheumatoid arthritis: a dose–response study of AMG 162 (Denosumab) in patients with RheumatoId arthritis on methotrexate to Validate inhibitory effect on bone Erosion (DRIVE)—a 12-month, multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase II clinical trial

Takeuchi T, et al.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Effect+of+denosumab+on+Japanese+patients+with+rheumatoid+arthritis%3A+a+dose%E2%80%93response+study+of+AMG+162+(Denosumab)+in+patients+with+RheumatoId+arthritis+on+methotrexate+to+Validate

 

デノスマブはRAの骨びらんを抑制する? ~治験第2相試験~

 

背景と目的

・RA患者にDenosumabを使用した時の関節X線と骨密度評価を行う。

方法

・デザイン        :多施設無作為二重盲検プラセボ対照試験

・対象患者        :RA患者350人、20-74歳

・RA診断基準  :ACR1988

・組入れ基準    :6M<罹病期間<5Y、CRP≧1.0mg/dL or ESR≧28mm/h、CCP+ or RF>20 IU/ml

・内服基準        :MTX:6-16㎎/w、Vit D≧400 IU/d, Ca≧600mg/d、他BUC, SASP, ステロイド

使用、NSAIDs使用に制限なし

・除外基準        :stage Ⅳ, bio使用歴あり、Bis使用歴あり、PSL≧10mg/d

・振り分け        :

プラセボ:Denosumab 60㎎ /6month:Denosumab 60㎎ /3month:Denosumab 60㎎/2month

=1:1:1:1

・対象施設        :多施設

・評価項目        :関節X線(mTSS,JSN)、DEXA(腰椎、股)、PtVAS, HAQ-DI、骨代謝マーカー

・実施期間        :12か月間

・統計解析        :80%の検出力を出すために、各群80人以上とした。

・倫理規定     :記載なし!?

 

結果

関節X線:erosion:プラセボ<Denosumab、JSN:プラセボ=Denosumab, total:プラセボ<D(投与量による差はなし)

 

ACR20/50/70:Denosumab 60mg/3month群とDenosumab 60mg/2month群でプラセボに比し、若干良い(p=0.0473)

 

DAS28-CRP, HAQ-DI:差はない

 

BMD: Denosumab>プラセボ(投与量にかかわらず、腰椎、股関節ともに)

 

議論・限界

観察期間が短い。

T2Tにのっとった治療計画ではない。

 

結論

・1年の観察期間ではDenosumabは骨びらんを改善させるが、JSNを改善しない。

・1年の観察期間ではDAS28-CRP, HAQ-DIに関して変化はなく、RAそのものの疾患活動性は改善させない

結語

・Denosumabは、erosion score, BMDを改善させ、関節破壊を防ぐ新たなる治療になる可能性がある。

 

担当: 三輪 祐介

 

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