Lupus anticoagulant is the main predictor of adverse pregnancy outcomes in aPL-positive patients: validation of PROMISSE study results.
PROMISSE Study結果の確証
方法:PROMISSE Studyは2003年から2015年に登録されたaPL陽性および/または全身性エリテマトーデス(SLE)の女性における妊娠結果の多施設、前向き、観察研究である。
PROMISSE Studyに登録された2011年4月から2015年1月の間(以前のPROMISSE Studyが報告したあと)に妊娠したすべてのaPL陽性患者を出産まで毎月フォローし、妊娠第一期、第二期、第三期、出産後12週目にaPLを測定した。不良な妊娠結果(adverse pregnancy outcomes: APOs)は、妊娠12週以降の胎児死亡、新生児死亡、前期子癇や胎盤機能不全、子宮内胎児発育不全(出生体重が5 %以下)などによる36週以前の出産と定義した。
結果:54人のaPL陽性患者がこの報告に含まれる。13人の患者がAPOsを生じ、そのうち80 %が妊娠第二期に起こっていた。LACはAPOsを生じた患者の69 %、生じなかった患者の27 %に存在した(P=0.01)。抗カルジオリピン抗体(aCL)や抗β2GP1IgG抗体、IgM抗体陽性とAPOsとの間には関連性はなかった。確定された抗リン脂質抗体症候群(血栓の既往および/または流産歴とaPL)はAPOsを生じなかった45 %の患者と比較し、APOsを生じた患者の92 %に見られた(p=0.004)。反対に、SLEの頻度はAPOsを生じた群と生じなかった群で明らかな差はなかった(30 %vs39 %)。
結論:PROMISSE StudyからのaPL陽性患者の独立群において、LACはaCLや抗β2GP1抗体とは異なり、妊娠12週以降の予後不良の予測因子である。
ディスカッション:この研究では、LACのみが妊娠第一期以降のAPOsに関連ある唯一のaPLであることを示し、以前の報告での発見をaPL陽性患者のみの独立群においても裏付けた。また、臨床的APSや血栓の既往がAPOsの強いリスク因子であるといえた。リミテーションはAPOs患者の数が少ないため多変量解析ができていない点にある。
担当:斎藤 麻由
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