Mepolizumab as a steroid-sparing treatment option in patients with Churg-Strauss syndrome.
IL5阻害薬はChurg-strauss症候群に有用か
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20513524
【背景】
好酸球性血管炎性肉芽腫症(CSS)は喘息、副鼻腔炎、末梢血好酸球増多、好酸球の肺浸潤・組織浸潤が特徴的な稀な好酸球性血管炎であり、選択されうる治療は限定的である。そんな中、CSS患者ではIL5の値が高いことが分かっており、既知の報告ではIL5阻害薬は喘息、FIP1L1-PDGFRA陰性の好酸球増多症で臨床的な効果が認められ、ステロイド減量効果があることが分かっている。
【目的】
メポリズマブ(ヒト化抗インターロイキン5モノクローナル抗体)はステロイド依存性CSS患者のステロイド減量を安全に行えるか、活動性マーカーを低下させるかを明らかにする。
【方法】
研究デザイン:オープンラベルパイロットスタディ
対象:以下の条件を満たすCSS患者7人
・CSSのACRクライテリアを満たす
・少なくともPSL10mg以上を維持量として飲んでいる
・CY、AZP、MTXのいずれかを維持療法に使用している
除外基準:GPA、悪性腫瘍、その他の随伴症候群、妊娠、授乳中
患者背景:
女性5人、男性2 人、計7人
平均45歳(28-62)、
主要評価項目 ステロイド維持量の減量効果
二次的評価項目 ESR、ANCA、CRP、IgE、喘息のactivity、BVAS、FeNO
上記をアウトカムとし、
0、4、8、12週でメポリズマブを投与、13~40週は同薬を中止し、観察した。
尚、メポリズマブ開始2週後~16週後の間にステロイド漸減を試みた。
CSSの活動性が抑えられたか、ステロイド減量を安全に行えたかを調べた。
結果:
メポリズマブはCSS患者に安全に使用でき、全例で血中好酸球数を低下させ、ステロイドを減量することが出来た。しかし、メポリズマブ中止期にCSSは再燃し、ステロイド増量を必要とした。
Figure,Table詳細(抜粋)
トリートメントフェイズ(メポリズマブ使用中の0~12週)とウォッシュアウトフェイズ(介入後13~20週)では比較的症状が安定していた。
しかしセーフティーモニタリングフェイズ(介入後21週~40週)では多くの症例で症状増悪がみられており、最後まで安定していたのは7人中1人だけであった。
ステロイド使用量は以下
使用PSL量
治療開始時 18.8mg
治療開始12週目 4.6mg
治療開始40週目 15.7mg
トリートメントフェイズの12週まではステロイド漸減し得た。
結論:CSSの維持療法において、メポリズマブは安全かつ効果的にステロイド減量効果がある。
限界:サンプルが小さい、オープンラベルであること
担当:三浦 瑶子
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