臨床研究リテラシー勉強会 第9回
サンプルサイズについて
9月13日水曜日、矢嶋先生による恒例の臨床研究リテラシー勉強会が開催されました。
第9回は、サンプルサイズについて。
簡単に言うと、臨床研究を組む上で、どのくらいのN数があれば良いのか、という話です。(簡単に言いましたが正直に言うと難しかったです。)
(恒例の前回の授業の小テストから始まりました。)
本日のサンプルサイズについてのレクチャーです。
なぜサンプル数計算が必要かは、サンプル数が多いと、データの質が粗くなる可能性、せっかくの参加者の協力が無駄になってしまう可能性、医療資源や費用(保険費用など)の無駄使い、などの問題点が考えられます。一方、サンプル数が少ないと、真に差がないのかサンプル不足なのかが判断がつかない、などの問題が生じます。そのためにサンプル数が必要になります。
また以下はどう解釈すればよいでしょう?
・サンプル数が多い研究で有意差がついている
この判断には、有意差があっても臨床的な差で議論をしているかが重要です。例えば血圧が1mmHgの差で統計的に有意差があった場合、これは果たして意味のある研究でしょうか。サンプル数が多くなれば臨床的に意味がないわずかな差でも有意な差として結果がでてしまうことがあり注意が必要です。
計算するにアプリケーションやサイトがあり、どのくらいのサンプル数が必要かを計算してくれます。α、検出力は決まっているので、検出すべき差、コントール群の標準偏差、EとCの割合がわかれば計算ができます。これを使い、みんなで数値を入れて体験してみると、思ったより簡単でサンプル数計算に対しての閾値が下がりました。
ちなみに、毎月第3水曜日の18時30分ころより直前2回の復習レクチャーが行われています。患者さんの対応などで参加ができなかった時や、一回聞いてよくわからなかったときなど、復習レクチャーの際に他の先生も一緒に聞いています。一緒に聞きたいです!という先生がいらっしゃればご連絡ください。一緒に臨床研究やりたい!!という先生もぜひご一報ください。
次回は10月11日、テーマはデータ収集(アンケートの作成方法、データベースの作り方)について!
文:三浦 瑶子(臨床研究チーム)