生物学的製剤で治療中の関節リウマチ患者における二次発がんのリスクと死亡率について【Journal Club 20180627】

Risk of second malignant neoplasm and mortality in patients with rheumatoid arthritis treated with biological DMARDs: a Danishpopulation-based cohort study

Lene dreyer, rené L Cordtz, Inger Marie J Hansen, Lars Erik Kristensen, Merete L Hetland, Lene Mellemkjaer

2018 Apr;77(4):510-514

P:癌治療後の関節リウマチ患者
E:bDMARD使用あり
C:bDMARD使用なし
O:二次発がんの有無

<セッティング>
・デンマークのDANBIOレジストリーを使用
・DANBIOには2000年からRA患者が登録されている
・Civil Registration System (CRS) 、Danish Cancer Register (DCR) を併用

<研究デザインの型:RCT、横断研究、前向きコホートなど>
後ろ向きコホート

<Population、およびその定義>
・2000年~2011年にDANBIOに登録されている患者
・除外基準:登録時、登録前にすでに二次発がんをきたしていた患者

<主な要因、および、その定義>
・生物学的製剤使用
・infliximab, etanercept, adalimumab, golimumab, certolizumab, rituximab,
abatacept, tocilizumab

<Control、および、その定義>
・生物学的製剤を発がん後使用していない

<主なアウトカム、および、その定義>
・アウトカム:①二次発がん、②死亡率
・定義:CRS、 DCRからの報告

<交絡因子、および、その定義>
・年齢、性別、時期、癌の発生臓器、癌と診断されてからの期間

<解析方法>
・coxハザードモデルを使用してHRとCIsを算定

<結果>
・がんの既往のあるRA1678人(内訳:table1)
・2次発がんのリスクをbDMARDs使用、非使用で比較、リスク上昇なし(table2)
・フォローアップ期間中に342人が死亡。全死亡率はbDMARDs使用歴ありでHR 1.25 (95% CI 0.99 to 1.57)と増加した。(table 3)
・悪性腫瘍の進行度がわかっている1326人では進行度での調整も行い、ややHRの低下がみられている。(table3)

<Limitation>
・二次発がんの数が少ない
・死亡原因が収集されていない

<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
・関節の痛みが抑えられない場合はがんの既往があってもbDMARDsの使用を検討。

<自分で考えた交絡因子>
・糖尿病などの併存疾患、抗がん剤の使用など

<この論文の弱点>
・死因がわかっていないこと
・他の併存疾患が不明なこと
・がんの治療内容が不明なこと
・がんの種類別、治療別での検討(おそらくNがなく不可能だが)

<この論文の好ましい点>
・Nが多く、大規模レジストリーどうしでのデータ使用を行っている
・bDMARDsの使用タイミングがわかっている

 

担当:三浦瑶子

 

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