PET-CTの巨細胞性血管炎に対する診断特性【Journal Club 20190410】

Diagnostic Accuracy of PET/CT Scan of the Head, Neck and Chest for Giant Cell Arteritis: The Double-Blinded Giant Cell Arteritis and PET Scan (GAPS) Study

Sammel AM, Hsiao E1, Schembri G, Nguyen K1, Brewer J, Schrieber L, Janssen B, Youssef P, Fraser CL, Bailey E, Bailey DL, Roach P, Laurent R.

Departments of Rheumatology, Nuclear Medicine and Anatomical Pathology, Royal North Shore Hospital, St Leonards, Sydney, NSW, 2065, Australia.

2019 Mar 8. doi: 10.1002/art.40864. [Epub ahead of print]

 

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<サマリー>
巨細胞性血管炎に対するPET-CTの診断正確性が高かった。特に、リスクが低い患者でのルールアウトに有効であるかもしれない。

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 <セッティング>
オーストラリアのRoyal North Shore Hospital

<研究デザインの型:RCT、横断研究、前向きコホートなど>
 横断研究

<Population、およびその定義>
初発のGCA疑い:リウマチ医、眼科医、神経内科医、臨床免疫医により疑われた
50歳以上
ACR分類基準の2つ以上を満たす
生検予定
PSl投与委開始して72時間以内にPET-CT
除外基準:悪性腫瘍、膠原病の既往、6カ月以内に1w以上のPSL内服歴

<検査>          
Index test:PET-CT (Time-flight scanner)
2人の判定医が独立して判定。臨床情報、生検情報はblind。研究の前に読影のトレーニング済
Primary:GCAかどうかのglobal assessment(取り込み価や血管の分布により判断)
・血液プールより増強、血管にそって長く取り込み、脳血管に取り込み
Secondary:18血管の分布、取り込み濃度(0-3の4段階)
意見が割れる場合は、話し合いにより解決
Reference standard test:側頭動脈生検
・病理医は、PET-CT結果と臨床症状をblind
2nd reference standard test:臨床症状
・6カ月間での臨床判断

<診断>
Definite positive, Definite negativeの基準で判断
基準をみたさないときに、2-6人のreviewerでさらなる検討し判断

<解析方法>
側頭動脈生検を行わない症例は除外。臨床的判断の際には含んだ
診断医間信頼性は、kappa係数

<結果>
96人が候補となり、64人がクライテリアを満たし、側頭動脈生検を58人
95%:6M間追跡
臨床症状(別紙)
58人中12人(21%)で側頭動脈生検陽性
64人中21人(33%)で臨床診断
側頭動脈生検陽性の12例中、11例でPET-CT陽性
感度92%、特異度85%、PPV61%、NPV98%、AUC0.88

<結果の解釈・メカニズム>
生検陰性のGCAは10%程度存在すると報告されていることから過少評価、もしくは、過大評価されている可能性がある      
上記の理由より臨床症状での診断の方がより正確である可能性がある

<Limitation>
生検を行わなかった症例が6例存在したこと
当初GCAを疑った群により診断精度が決定するため、眼科医、神経内科医、臨床免疫医が判断したことが適切でなかった可能性

<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
特異度は高いため、診断には利用できる。

<この論文の好ましい点>
いままでの論文は、生検陽性の症例のみを対象としていたため診断研究としては不十分であったが、今回の研究では疑い症例を対象としていること

 

担当:矢嶋宣幸

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