Characteristics associated with hospitalisation for COVID-19 in people with rheumatic disease: data from the COVID-19 Global Rheumatology Alliance physician-reported registr基礎疾患に膠原病疾患を持つCOVID-19感染症入院患者の特徴について:COVID-19 Global Rheumatology Alliance(C-19 GRA) physician-reported registry
Milena Gianfrancesco, Kimme L Hyrich, Sarah Al-Adely, Loreto Carmona, Maria I Danila, Laure Gossec, Zara Izadi, Lindsay Jacobsohn, Patricia Katz, Saskia Lawson-Tovey, Elsa F Mateus, Stephanie Rush, Gabriela Schmajuk, Julia Simard, Anja Strangfeld, Laura Trupin, Katherine D Wysham, Suleman Bhana, Wendy Costello, Rebecca Grainger, Jonathan S Hausmann, Jean W Liew, Emily Sirotich, Paul Sufka, Zachary S Wallace, Jinoos Yazdany, Pedro M Machado, Philip C Robinson, COVID-19 Global Rheumatology Alliance
Department of Medicine, Division of Rheumatology, University of California San Francisco, San Francisco, California, USA.
Ann Rheum Dis. 2020 Jul;79(7):859-866.
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<サマリー>
10mg以上のプレドニゾン使用が入院率を上げ、抗TNF薬は入院率を低下させた。DMARDsとNSAIDsは入院率と関係しなかった。
<セッティング>
期間: 24 March 2020 to 20 April 2020
場所:C-19GRAに登録されたヨーロッパとそれ以外の地域から(計40か国からの報告)
現在のデータベースへの登録地域:https://rheum-covid.org/map/
<研究デザインの型>
後ろ向きコホート研究
<Population、およびその定義>
*組み入れ基準
C-19 GRAに登録された患者。ヨーロッパに限定されたものとそれ以外の地域からの2つのデータベースからなる。データベースへはCOVID19に感染した膠原病患者が医師から登録される。
*除外基準: 入院などのステータスが不明であった症例
<主な要因、および、その定義><主なアウトカム、および、その定義>
共変量として、年齢群(65歳未満 vs 65歳以上)、性、リウマチ性疾患(関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、乾癬性関節炎(PsA)、軸性脊椎関節炎(axSpA)またはその他の脊椎関節炎、血管炎、その他)、主要な併存疾患(高血圧。肺疾患、糖尿病、心血管疾患および慢性腎不全/末期腎疾患)、喫煙状況(これまでに一度もないかどうか)、医師が報告した疾患活動(寛解、最小/低疾患活動、中等度疾患活動、または重度/高疾患活動)。またはバイナリ変数として。寛解および最小/低疾患活動 vs 中等度および重度/高疾患活動)、DMARDの種類(DMARDなし、csDMARDのみ、b/tsDMARDのみ、csDMARDおよびb/tsDMARD併用療法)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用、およびプレドニゾンと同等のグルココルチコイドの使用(0 mg/日、1-9 mg/日、≥10 mg/日)
<解析方法>
記述
Multivariable logistic regression(入院、非入院でのリスクファクターの解析)
<結果>
・40か国600症例 277人(46%)が入院し、55人(9%が死亡)
・65歳以上で入院率が高かった他既存の報告のようにHT、肺疾患、心疾患、DMやCKDなど併存している人で入院率は高かった。
・プレドニゾン10mg以上の使用が入院率を上昇(OR 2.05, 95% CI 1.06 to 3.96)
・csDMARDs単独もしくは生物学的、Janus Kinase inhibitorsとの併用は入院率との関連はなし(OR 1.23, 95% CI 0.70 to 2.17 and OR 0.74, 95% CI 0.37 to 1.46, respectively)。NSAIDも関連なし (OR 0.64, 95% CI 0.39 to 1.06)、抗マラリア薬使用も関連なし(OR 0.94, 95% CI 0.57 to 1.57)。抗TNF阻害薬では入院率が減少していた(OR 0.40, 95% CI 0.19 to 0.81)。
<Limitation>
・入院率は一般患者のコホートよりも高かったがこれは症例情報を収集したメカニズムを反映している可能性が高く真の入院率と解釈すべきではない。
・交絡因子が残存している可能性が高い。
・より重症患者ではIL-6やTNFを含むサイトカインレベルが高いことからも明らかなように生物学的に生物学的製剤の有用性に妥当性があるようにも思えるが、COVID19の治療における生物学的薬剤の有益性などを明らかなにするには無作為化プラセボ対照試験が必要。今回の研究の生物学的製剤が主に抗TNF療法によるものである。他の生物学的製剤やJAK阻害剤を服用している症例の数は少ないため、効果を証明するには不十分であった可能性がある。
・どういった病態で入院(肺炎、DICなど)したかは記載なし。
・あくまで報告された症例だけであるため無症状の場合は見逃される可能性や軽症の場合は報告漏れがある可能性(上記のメカニズムの問題か)。
・コロナへの感染しやすさは不明
<どのように臨床に活かす?どのように今後の研究に活かす?>
・外来での患者さんへの説明。
<この論文の好ましい点>
・COVIDにおけるリウマチ患者での入院率に関して一つの説明材料にできること
担当:林智樹